妄想圏外区域
ちいさな恋の物語
(木→春/一ノ瀬視点/「勧誘」後)
やあ、俺だよ☆
え、誰か分からない?嫌だなぁ、文末についた星マーク見れば分かるだろ?
あ、今ウザいと思った奴は放課後体育館裏に集合なっ。
「……おい、用があって呼んだんじゃないのかよ」
「あぁ、ごめんごめん。ちょっとトリップしてた」
俺は不思議に思ったことをそのままにしておくことが出来ない性格だ。納得する解答を得ないと落ち着かないんだよね。
そんなわけで今俺の目の前…ってか目の下?には無愛想な顔の木暮がいる。
どうしても気になることがあるんだよね。
「木暮はさ、何でそこまでサッカー部に執心してるんだ?」
「…は?」
「転校してまだ日も浅いのにさ。吹雪は少ない日数でも部活が好きになることはある、って言ってたけど。俺はそうは思えないんだよ。…何か別の理由があるんじゃない?」
「っ…、それ知ってどうする気だよ!?」
はてさて。この反応からして理由があることは確実。だけどなぁ、話してくれそうな雰囲気じゃないなぁ。
干渉しすぎるのはよくないって土門や秋に口を酸っぱくして言われてきたから、ここは引き下がることにしよう。
「どうする気もないよ。ただちょっと気になっただ……」
「木暮君っ!」
俺の言葉を遮ったのは木暮を呼ぶ高い声。
誰だろうと思って振り向いてみると。
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