妄想圏外区域 D 鞄2つと制服が入った紙袋。 計3つの物を持って、俺は帰路についていた。 結局、奴…風丸と名乗ったあいつに押し切られてしまった。こんなとこ、プロミネンスの奴等には絶対見せられない。 滅多につかない溜息を吐いて、マンションへと足を進める。 …そーいや同じマンションってことは分かったけど、どの階とは聞いてなかったな…。 ま、管理人に聞けば分かるか。 「おや、南雲君。大荷物だね」 グッドタイミング。管理人の古株がちょうどマンションから出てきた。さっさと聞いてさっさと届けて、…ちゃんと謝ろう。 「吹雪の部屋ってどこだ?」 「挨拶も敬語もなしかい。…ん?それは制服?」 「ああ。届け物だ」 「成程。だから基山君と一緒だった吹雪君の服装がユニフォームだったわけだ」 「……は?」 基山と、一緒? 「ああ、吹雪君の部屋だったね。今調べ……南雲君!?」 反射的に走り出していた。 嫌な予感しかしない。 だって、あいつは、ヒロトは、俺の──……。 ばんっ ノックもせずに開けたドアの向こう。 嫌な予感は、的中した。 . [*前へ][次へ#] |