妄想圏外区域
G
出会い。
出逢い。
自然であり、偶然。
偶然であり、必然。
そして。
出逢いがあれば、また。
別れが、ある。
宇宙人ごっこ、というものを彼等はやっていた。
あだ名とは違う名前…言うならば宇宙人ネームをつけて、それで呼び合うという単純な遊び。
雪合戦の日から、吹雪兄弟は彼等と仲良くなり、よく一緒に遊ぶようになった。
ただ、双子は彼等の本名を知らない。
宇宙人ごっこの間は本名で呼び合わないという彼等なりのルールがあるらしい。
ある日のこと。
いつものように空き地に集まった彼等。
だが遊んでいる間も吹雪兄弟は終始暗い顔だった。
3人はそんな双子を心配そうに見つめていた。
夕方になり、ずっと何かを思いつめていたような吹雪がのろのろと口を開いた。
「バーン君、グラン君、ガゼル君。今まで遊んでくれて有難う」
泣きそうな、声だった。
そしてそれは別れを示唆する、言葉だった。
「…おれ達、引っ越すんだ。遠いとこに」
友達とお別れしてきなさいって母さんが、と呟くアツヤの目は涙で潤んでいる。
そんなアツヤが見るに耐えなくなったのか、ガゼルが走り寄ってぎゅっと抱きしめた。
「嘘…だろ?」
「嘘でこんなこと、言わないよ」
彼等以外の友達にも別れの言葉は告げてきた。
「折角…っ、仲良くなれたのに……」
流しきったはずの涙がどんどん溢れてくる。
くらくら、する。
身体が、気だるく、熱い。
「あ……れ…?」
そこでようやく自分の身体がおかしいことに気付いた時にはもう遅く。
吹雪はその場でぱたりと倒れ────…。
…目を覚ました時には新しい家で、新しい天井を見上げていた。
──
───……
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