妄想圏外区域
B
南雲君は小さい声で何かをぶつぶつ呟いた後、
「……俺……も、だ」
それだけ言って凄い速さで部屋の中へと入ってしまった。
ああ、やっぱり。
南雲君もサッカーが好きなんだ。
好きと得意は比例しなくても好きと言動は比例するはず。
…不良のリーダーという面子とプライドが南雲君をどれだけ圧迫しているのかは分からない。
だけど好きなことをやれないだなんて悲しすぎる。
これを機に少しでも素直な感情を表に出すことが出来ればいいのになと考えていた僕は、彼が間違った解釈をしていることに気付かずにいた。
…それに気付いたのは3日後。
木暮君が慌てた顔でサッカー部の部室を訪れてきた時だった。
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