妄想圏外区域
A
「僕は…。僕は凄く好きだよ」
サッカーが。
心の中でそう付け加える。
南雲君にもきっとある気持ちだと信じて、少しでも伝わってくれるように願う。
「南雲君も……、…?」
…あ、れ?
南雲君から何かしらの反応があると思っていたのに、彼はドアノブを握ったまま驚愕の表情を浮かべていた。
だけどその表情はすぐにかき消えて、首から上が紅く染まっていく。
「っ……、それ、本当なのかよ……」
ノブから離れた手で口元を押さえながら聞いてくる南雲君に、僕はこくりと頷いた。
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