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【ふしぎ遊戯】ホスト遊戯
【ふしぎ遊戯】ホスト遊戯
ここは東●の新●区にある、歌●伎町の、とあるホストクラブ…。

毎夜、様々な女達が、男達に癒しを求め、出入りする…。
ここらで人気のホストクラブだ。











その名も『ホスト遊戯』。












「お前達、日頃の教訓をまさか、忘れては、いないな?」
「はいッッッ!!」

金髪に蒼い目をした、妖しい美しさを持つこの男は、源氏名『心宿』。
この店『ホスト遊戯』の店長と言われる存在だ。
しかし、決して指名度1という訳では無い…。
今現在の1はと言うと…。



心「翼宿!!…あくびはするな…!!」







心宿の目が一瞬光り、翼宿と呼ばれる男に皆の視線がいった。

翼「しゃあないやろぉ〜今日も昼からバイトで、その後ここ来てほぼオール状態、寝たんはたったの3時間やで〜〜〜!!」

店長の心宿に向かってこの口調…まぁこれも彼の根アカないい所なのだ。
心「貴様…いくら指名度1でも、わたしにそのような口の聞き方は す る な … ! ! 」
翼「(ぞくっ)…すまんかったな!ほな、朝礼の続きしよか!!」
殺気を感じ、自己防衛の為、態度をわきまえた翼宿であった。
心「フン…。では朝礼を続ける。」

☆☆☆

〈控え室〉
「ったく翼宿ィ〜!あんたはどォしていつもこうヒヤヒヤさせるのよォ〜!
お陰で毎回寿命縮まってるわぁ〜!!」

黒いスーツに薄紫のシャツを着た、女性の様な口調と美しさ、男性の様な凛々しい中性的な男がドレッサーの前で化粧をしながら翼宿に呼びかける。
翼「うっさいわ柳宿!オレかて眠いんじゃ!」

「翼宿さんはどうしてホストになろうと思ったんですか??」
丁寧な口調で翼宿に問い掛けるのは、まだ幼いだろうに、とても頭がいいらしく、とび級で大学へ通いつつ、ここへ働きに来てる、『張宿』という源氏名を持つ少年だ。

翼「オレな〜、好きでここ入ったワケじゃ無いんや。
姉キに無理矢理入れさせられたんや…何てかわいそうなオレ…!!!」
そう言って泣き真似をする翼宿。

張「そうなんですか…!
色々家の事情とかもあるんですね…すいません、変な事聞いて…。」
柳「大丈夫よ張宿!翼宿も結構楽しんでるみたいだしぃ〜??」
意地悪そうな柳宿(笑)
翼「ケッ、オカマバー連れてったろか!」
柳「何か言ったぁぁぁ?(にこにこ)」
翼「イエ、何にもッッ!!(汗)」

「すいませ〜ん!開店5分前で〜す!!!」

柳「虚宿クン!今日もはりきってるわねェ〜感心感心♪」
虚「へへっまだまだ下っぱですから!早く皆さんみたいにプロになれる様頑張ります!!」

「虚宿…今日もピンドン(ピンクのドンペリ)入れるつもりなのか?」
虚「おう斗宿!今日こそ多喜子さんに入れてもらうぜ!」
斗「…そうか。」
虚「…??」

☆☆☆

〈開店〉
「いらっしゃいませーーーッ!!!」

開店と同時に大量の客が入って来た。

店の雰囲気はと言うと、ホストクラブには珍しい、中華風な内装をしている。紅、蒼、黒、銀の色を基調とした内装になっており、実にゆったりした空間だ。

「◯◯サン指名入りました〜!」
「◯◯サン◯番テーブルお願いしま〜す!」

次々と客のテーブルにつくホスト達。

当の翼宿もさっそく指名が入った様だ。
客はと言うと、お団子頭のまだ学生らしき少女だ。
翼「何やまたお前か〜!美朱〜!…サン!!」
ここでは、どんなに客と親しくなっても『〜さん』付けは必ずだ。

美「聞いてよ翼宿ィ〜!!
鬼雄(たまお)がねっ鬼雄がねっ…
あたしの残しておいたお菓子、全部取ったのぉ〜〜〜!!ヒドくない!?」
翼「イヤ…カップルならそーゆーモンは分け合うってのがスジやで!お前は食い意地張り過ぎやッッッ(汗)」
美「ゔ…翼宿のいぢわる〜〜〜!!
こーなったらヤケよ!ドンペリ1丁!!」
翼「『丁』て(汗)しょーがあらへんなぁ!オ〜イ!ドンペリ一本入ったでぇ!」


〈10分後〉
美「♪どんな事もやれば出来るってものじゃない」
翼「♪だけど無理をしちゃおう」
美「♪自分を越えたいから」
翼美「♪♪必ず捕まえる 最高の幸せぇぇぇぇぇ〜〜!!!」
・・・大いに盛り上がっている。

☆☆☆

柳「今日も相変わらず盛り上がってるわねぇ〜あのテーブル…(汗)」
「ちょっとぉ!よそ見しないでちょおだい!アタシを誰だと思ってンのぉ!!?」
柳宿「Σごっごめんなさぁい!
何言ってるんですかぁ〜!百発百中的中の天才占い師、太木和子(たぎかずこ)サン(にこにこにこ)」
太「ふんっ!他のテーブル見ながら客相手にするなんざ、ロクな接客できやしないだろうね!」

この砂かけババァの様な顔をした、毒吐きケバA女は誰かと言うと、今世間で注目を浴びている、人気占い師、太木和子。(年齢不詳)
一人で何人もの人気ホストを独占している。
その中でも彼女の一番のお気に入りは…。

「まぁまぁ太木さん!僕の新曲、聞いてくれますか??」
太「まぁっ亢宿クン!是非A聞かせて頂戴アタシの為にッッッ」

亢宿は、太木の一番のお気に入りで、必ずといっていい程、太木のテーブルには毎回亢宿の姿がある。
そして彼の得意の横笛を奏でて、太木の機嫌は良くなる、のはいいが、それにはリスクがつきものだった。
柳「ん〜いいわねェ亢宿の笛は…!」
このテーブルだけじゃなく、他のテーブルの皆も笛の音に心を洗礼された頃、事は起きる。
亢「!!!…やっ…やめてくださいっっっ!!(汗)」
太「いいじゃないのォ〜ボディタッチ位!ウフフフフ…vv」
そう言って太木は、亢宿が座ってるソファーに押し倒す。そしてそのしわくちゃな顔を顔面に近づけ、Kissを迫る。
周りの皆は、太木には逆らえず、見てみぬふりだ。
柳(ぅうっ…ごめんなさい亢宿…!
本当はブッ飛ばしてやりたいけど、太木が相手だとそうはいかないのよ…許してね(泣)でもそろそろ『彼』が来るはず…!)

太木の唇が今にも亢宿の唇に触れようとした、その瞬間───…!










「兄キに触るなぁッッッ!兄キから離れろぉッッッ!!」




ダンッ



無礼にも、太木のいるテーブルに足を荒々しく乗せる少年。

太「おや、またあんたかい!今日もお兄ちゃん子やってるねぇ!」
亢「(ホッ…)…角宿…。」

『角宿』と呼ばれる少年(ホスト)は、亢宿とそっくりな顔をしており、眉間にシワを寄せて、ギラギラした目付きで太木を睨む。
この店で太木に逆らえるのは角宿と翼宿位なモノだろう。

さすがの太木も、お気に入りの亢宿と顔が同じの角宿には弱く(ある意味)、すぐに手をひく。

太「しょうがないわねぇ…いつもいい所で亢宿クンとサヨナラだ。まぁ亢宿が二人いると考えれば…(ニヤニヤ)ウフフフフ…vvv」
妖しい笑みを浮かべる太木。
そして亢宿は逃げる様にスルリと太木から逃れ、角宿の後ろにすかさす避難する。
角「兄キ、大丈夫か…?口、触れてないだろーな?」
亢「お陰で間一髪の所平気だったよ…。」
太「フォッフォッフォッ…今日も楽しませてもらったわぁ〜また来るわねぇ〜あでゅーvvv」

そう言って太木は帰って行った。
なんでも、彼女が言うには、お気に入りのホストを手元に置いて、高い酒を頼み、さっさと帰るのが粋な客だと言う…。(実話BY細●和子)

柳「ふぅ〜やっと帰ったわね!
亢宿、同じテーブルだったのに助けてあげらンなくてごめ…ゔッ」


角「兄キ…ほんっとに唇触れて無いか??」
亢「大丈夫だよ。角宿が来てくれたからね。」
角「良かった…まっもし触れてたとしても後でオレが消毒してたけどな!(にこにこ)」
亢「ちょっ…みんなのいる前で言うなよっ…///」
角「何だよ今更恥ずかしがる事無いだろ!」
亢「でもいくら何でもこんな所で…///」
角「兄キは絶対誰にも触れさせないから!」
亢「…角宿…///」

☆☆☆

そんな彼等をなまめかしい視線で見つめる男がいた…。
「何と美しい兄弟愛…。」
心「少しイキ過ぎてるがな。あの二人はなかなか面白いからここに置いている。氏紀(とものり)サン、おかわりいかがかな?」
氏「えぇ、頂きます…。
それにしても今日一番に心宿とテーブルを共に出来るなんて、夢のようです…。
だがしかしこのひとときの夢もきっとあの女によって壊されてしまうのですね…。」
心「…指名されて、高い注文をしたお客様の元へ行くのが我々ホストのさだめですから…。」
氏「…。
でも信じてます…いつかきっと外界であなたと共に過ごす日が来るのを…!!」
この異様な雰囲気は、心宿にしか体験出来ないと言っても過言では無いだろう。
氏紀と呼ばれる男は、男であるにもかかわらず、街で心宿に一目惚れし、この店の行きつけの一人となったのである。
しかし、同じく心宿を激しく狙う者がいた…。

「心宿サン!◯番テーブルお願いしま〜す!!」
心「来たか…ではまた会いましょう」
そう言って心宿は、指名されたテーブルへと向かう。
氏(行ってしまうのですね…。
今日もあなたのおかげで素敵な一日に塗り変えられましたよ心宿…。
必ずあなたをいつか、手に入れてみせます…!!)
ひそかに念(!?)を送り続ける氏紀の存在を、まるで気にもとめず心宿はその場を去った。









「待ってたわぁ〜心宿ぉ〜あのオカマと何話してたのぉ?」
心「房子(ふさこ)サン。
ようこそ。他愛も無い会話にしか過ぎません。
何か飲みますか?」
房「うふふ…何か変な感じ…アタシ達付き合ってるのに」
心「房子サン…あまりその事は店内で口にしないでくれませんか…?
調子が鈍る。」
房子「わかってるぅ〜あのオカマはいいカモだもんねぇ」
心「フッ…。」

この房子と呼ばれる女は、近くのキャバクラの人気1のキャバ嬢だ。
お互い極秘でひっそりと付き合っているのだ。

☆☆☆

虚「いらっしゃいま…多喜子さぁぁぁん!!///」
多「虚宿くん!
今日もいたのね!元気そうで何よりだわ。」
虚「いえいえ!元気だけが取り柄ですからぁ〜!
さっこちらへどうぞ♪」
虚宿は、たびたび来店する、多喜子と言う少女にホレていた。
そして毎回彼女を喜ばせようと、持ち前の明るさとノリの良さでさり気無くアピールしていたのだ。
そしてピンクのドンペリを多喜子が頼んでくれるまで告白はしないと一人で勝手に決めているのだ。

虚「今日はどうします?」
多「うーん…いつものでお願いしていいかしら?」
虚「はいっ多喜乃様いつもの入りました〜!!(まだ始めだしなっ♪)」
多「ありがとう。
…急に変な事聞くけど、虚宿くんはどうしてホストになろうと思ったの?」
虚「オレですか!?
う〜ん…元から楽しいこととか好きだし、友達が入ってて、じゃあオレもやってみよっかなって!
まぁ一番は、やっぱコレだね!!」

そう言って虚宿は片手で親指と人指し指をわっかにして伝えた。
虚「ちなみに先に入ってた友達ってのが…お〜い斗宿!こっち来いよ!!
…あの片目にアイパッチ付けてるロン毛がオレの友達!!」
斗「…何だ?呼んだか?」
虚「まっいーから座れって♪一緒に飲もうぜ!」
斗宿は何故かいつになく不安げな表情だ。
しかしその秘められた感情を押し殺すかの様にいつもの営業スマイルを保った。
そんな斗宿の変化に虚宿は気付いていた。
虚「(何だ?今の…??ま、いっか!)
今夜も騒ぐぞ〜!!斗宿!多喜子さんにお得意(?)のアレを披露してやれよ!!」
斗「アレか?
しょうがない…では今宵、多喜子さんに捧げます…愛の調べ…!!」
そう言って斗宿は、すかさずどこからかマイ・マイクを取り出し、歌った…。
斗「♪君ィが微笑むぅ〜なぁぁ〜らどぉぉぉんなぁぁぁぁ痛みもぉ受け止めぇぇぇるぅぅぅ〜〜〜!!」








・・・物凄い音痴だ。
柳「斗宿〜〜ッ(苦)」
角亢「!!?」
心「…愚か者め…!」
房「心宿ぉ〜…」

斗「♪たとえぇ…このぉぉ身体ぁぁぁがぁぁぁ…滅びぃぃぃぃてむぉぉぉ〜〜〜!!」
翼「その前にわしらが脳死させられるわヴォケェ〜〜〜ッッッ!!」
美「いいじゃん翼宿!
あたしらだって、負けないンだからぁッ☆」
そう言って、再び美朱と翼宿は『ONLY TONIGHT』をドゥエットし始めた…(笑)

店全体が上がる所まで盛り上がって来た頃に、男が一人、店に入って来た。
そして心宿の元へ真っ直ぐと歩んで行った。

心「…お伺いしましょう。」
「…オレを雇って下さい。」
その、堂々とした少年に周りは一瞬にして静まりかえった。
赤茶の長い髪は後ろで一本に束ねられ、キリッとした顔立ちはとても凛々しい。
まるで新星が現れた様な輝きが放たれていた。









心「名は何と言う?」







「女宿(うるき)です。是非ここで、『男』を学びたいのです。」








心「…よかろう…やってみるがいい。」
そして女宿と言う少年は、控え室へと案内される。




「女宿!!!」




女「…!?
…多喜子…!??何でお前…こんな所に…!!」
さっきまで虚宿と飲んでいた客、多喜子はこの少年にふらふらと歩み寄った。
虚「…多喜子さん…!?」

女「お前…飲み過ぎじゃねぇか…?」
やっとの事で女宿の前に立つ多喜子は、彼を睨んだ。

多「あなたのせいよ…
急に別れるなんて言い出して、何でって聞いても答えてくれなくて…そしたら何…?こんな所で再会してしまうなんて───……っ女遊びがしたいが為に…!?」
女「違う!そんなんじゃ──」

「女宿はそんな男じゃない──…!」

みんなが一斉に声のする方へ顔を向ける。








斗宿だ。



斗「女宿は…
家の借金返済の為に、ホストと言う職業を選んだだけだ…。
多喜子さん、あんたを心配させたくない為、あんたを傷付けたくない為…女宿は迷ったあげくあんたとの『別れ』を選んだんだ…!!」
虚(斗宿…!?何…言ってンだ…!?)
多「斗宿…女宿と知り合いなの…??」
斗「女宿とは幼なじみだ…。」
多「…!
…そう…だったの…!!」
女「多喜子…
ダマすつもりは、なかった…オレは家族を見捨てるワケにいかない。
わかってくれ多喜乃。」
女宿と多喜子は、お互いの心を確かめ合うかの様に、見つめ合い、次の瞬間多喜子は女宿の胸に顔をうずめた。
多「どうして…私に何も言ってくれなかったのよ…!
相談位してくれたって…!!」
女「お前を…不安にさせたくなかったから…。」
多「バカ!私も一緒にきちんと仕事して、二人で助け合いましょう…!もう二度と離さない…!!」
女「多喜子…!!」

周りはこんな二人に圧倒されていたが、この男だけは二人に何無く呼びかける。
心「女宿。
そうなると、ここは無しと言うことでいいのか?」
女「ハッ。そーだった…。
すいません、もっとコツコツ働いて稼ごうと思います。」
心「…そうか。
お前なら、この店の1も夢では無いがな…実に惜しい。
まぁ無理は言わん。勝手にしろ。」
女「…ありがとうございます。
じゃあ失礼します…あ、斗宿!」
呼ばれて斗宿は女宿を見る。

女「…ありがとな!」
斗「あぁ…!」
こうして嵐の様な修羅場は去り、再び元の活気に戻っていった。
しかしここに一人だけ、控え室でうずくまる者がいた。









「虚宿クン!指名入ったのだ〜!
…平気なのだ?気分悪いのだ??」
虚「井宿か…」
キツネのお面の様なものを顔につけた井宿と言うホストが虚宿に伝えたが、動く気配はみれない。
井「虚宿クン…君がそんなに落ち込むなんて初めて見たのだ…
それとも何か変なものでも食べたのだ?」
虚「…」
無言で首をゆっくりと左右に振る虚宿。
井「まぁあまり無理はしないのだ…。
指名の事は何とかしとくのだ。
あと虚宿クンの体調が悪いと心宿サンにも言っとくのだ。ゆっくり休むのだ。」
虚「…ごめんな井宿…さんきゅ。」

井宿が去った後も虚宿は一人でしょんぼりとうずくまっていた。
そして彼の前にまた一人表れた。
気配に気付いた虚宿は顔をそむけ、ソッポ向いた。
虚「ごめんオレ気分悪いン…」

「すまない虚宿…。」

虚「──…斗宿か。」
虚宿はそのままの状態で答えた。
斗「ダマすつもりは無かった…
でも…お前が喜んでるのを見てて…とても言えなかった…。」
虚「斗宿は悪くねぇよ…いや、誰も悪くないさ…。」
そう言って虚宿はぱっと椅子から降りて斗宿に微笑みかけた。
虚「オレが勝手に舞い上がって勝手に失恋しただけ!
あのひとに男いないなんて、おっかしーと思ってたンだよなぁ!」
笑いながら虚宿は斗宿の横を通り過ぎた。
虚「休んだし、もう仕事に戻ろうと思う!
斗宿も突っ立ってねーで戻るぜ!!」

何かふっきれたかの様に虚宿はすっきりした表情になった。
斗「…っっ…虚宿…!
す…すまないぃぃっっ…!」
虚「うぐっ!?ぐ…ぐるじ…」
斗「失恋記念(!?)に一曲お見舞いしてやる…!
聞くがいい!!『わかっていたはず』!!」
虚「ひぃぃっっ」
斗「♪通りぃぃすぎるぅぅぅこいびぃぃとたぁぁちのわぁらぁあいぃごおぉえぇぇ胸をぉしぃめぇつけぇぇるぅぅ〜!!」
虚「声聞いただけで脳が締め付けられるわーーーッ!!」


柳「あらぁ?何かあっち騒がしいわねぇ。」
心「井宿。虚宿はピンピンしてるではないか。」
井「あれぇ?さっきはまるで生気が無かったのだ〜!」

☆☆☆

「君の瞳に乾杯…!」
「やだ、星宿さんたら!」
星「唯さん…貴女は誰よりも美しい…!」
唯「もう!口が達者なんだからぁ!!」


翼「何や何やあの二人!デキとるんとちゃうん?」
柳「噂によると、星宿は唯さんの事マジなんだってぇv
唯さん、お客さんの中でも目立って美人だもんねぇ。」
翼「ほぉ〜!
まぁ星宿のヤツも、アレが無ければイイ男なんやけどなぁ〜。」
柳「そぉそぉアレが無ければねぇ〜!
まっあたしはアレであっても星宿の美しさは憧れるわぁ〜v素敵〜〜〜vvv」
翼「な〜んなここのヤツらはアレなヤツが多いなぁ。
あっ、あいつも確かそのケあるやんかぁ。」
柳「あ〜あのコねぇ。
そう言えばそうだけど、あのコはどっちか と言うと、とてつもないサディストね!v」








美「わぁ〜ん翼宿がどっかいっちゃったぁ〜。
誰かあたしと遊んで〜〜!!」
「はじめまして。
ボクは祀行と言います。」
美「!!///(かっ…カッコイイ…!
ハッダメダメ!あたしには鬼雄がいるんだからっ!)
はっはじめましてぇvあたし夕城美朱!
美朱って呼んでね♪」
祀「美朱さんか。
かわいい名前だ ね …。」
美「…ッ!///」
美朱は、祀行の眼を見ると、吸い込まれそうな朱いルビーの様な瞳に釘づけになり、顔が一気に赤面した。
祀「くす…顔が赤くなってるよ?
…美朱さんてわかりやすいんだね…ボク、もっといじめたくなっちゃうな…。」
美「…っ…ちっ…違うのっ…これはただ酔っ払ってるだけでっ…」
祀「そっか。飲み過ぎは良くないな。」
そう言って祀行はウーロン茶を確認する為か、一度口を付けてそれを美朱に渡した。

祀「これならアルコール無しだから、飲みなよ。」

美「(!!…かっ間接キス…///って、何いちいちドキドキしてンのよあたしったら…!
こんなのいつもじゃない!)あ…ありが…」
そう思いながらも美朱の手は震え、なかA受け取れない。
祀「どうしたの?ボクのが飲めないの?ねぇ?美朱さん…!」







祀行の顔は美朱に迫り、その朱い瞳が美朱に語りかけている様にも思えた。








バタッ







柳「ちょっ…美朱さん大丈夫ぅ〜!??
心宿さーん!美朱さんがぁ〜!!」


心「祀行…あれ程客を倒すなと言っただろう」
祀「すみません…あまりにも彼女の反応が可愛かったんで…。v」
美「め…眼に殺されたぁ…」

☆☆☆

「お疲れ様でーす!!!」

心「今日もご苦労だったな。
今夜もよろしく頼むぞ。解散!!」

〈控え室〉
翼「さ〜はよ帰って寝よ寝よ!
今日はバイト休みや〜!v」
柳「翼宿〜!今日あんたんち行くからぁ〜♪」
翼「おまっ…いくら姉キのお気に入りかて、オレの部屋には入ってくんなや!」
柳「いーじゃなぁい!愛瞳ちゃんかわいーんだもーん!」
翼「くんな〜!」
柳「行く〜!行くったら行くぅ〜!!」

☆☆☆

角「兄キ、今日もよく頑張ったなっ。
今夜は兄キ休みだろ?」
亢「うん。角宿、くれぐれも太木さんには気をつけるんだぞ?」
角「わかってるって!
あんな砂かけババァになんか負けねえって♪
それより兄キ!今日はメシ、ハンバーグがいーな☆」
亢「わかったv用意して待ってるよ。」
角「やったぁ♪兄キ最高ッ♪」

☆☆☆

斗「おい虚宿!
そんなにオレの『わかっていたはず』良かったか?
今夜も歌ってやろうか?リクエストは??」
虚「…疲れた…帰る…」
斗「おい虚宿!そっちはトイレだ!!」

☆☆☆

心「フ…今日もなかなか面白い一日だったな…。」
心宿は灰色の毛皮のコートを着ながら一人呟いた。
裏玄関から出ると、そこには房子が待っていた。
房「あら?コート新しくしたのぉ?」
心「あぁ。『ashitare』と言うメーカーだ。
オーダーメイドで作った。どうだ似合うか?」
房「ちょっと毛が粗いケド…心宿なら何着ても似合うわ。さぁ行きましょう」
心「…結構高かったんだぞ…。」








こうして今日も、ホスト達は社会に貢献していくのだった…
愛と夢を抱いて────……!!!

〜ホスト遊戯【完】〜


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