*Heart Swing* 4* 店内の雰囲気は思ったよりも可愛らしく 東条の格好は明らかに浮いていた。 仕事中に抜け出してきたので オールバックでダークスーツを身にまとっている。 そして、明らかに凡人にはみえないそのひどく整った冷たい顔つき その姿に店にいた客や店員はおろおろしている。 しかし、そんなことはものともせず 相変わらずの笑顔で河内だけが東条に近づいた。 「いらっしゃいませ、お席までご案内します。」 「……」 東条は何もいはず、 案内された席に足を組んで腰掛けた。 「メニューはお決まりですか?」 河内は人懐っこい笑顔でいう。 そんな河内には目もくれず、東条は命令するかのごとく 短く言い放つ。 「コーヒー、ブラックでな」 「かしこまりました♪」 注文をうけると河内はさっさと 厨房へと戻った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |