ハルヒSSの部屋
涼宮ハルヒの戦友 6
朝倉の後ろをひょこひょこと歩いていく俺。
如何にも此方から声が掛け辛いのは何でだろうね。
「言い忘れてたけど、私の職業は『ナイト』。貴方を守る騎士よ。ふふっ、涼宮さんも粋な配役をしてくれるわよね?そう思わない?」
朝倉が何で笑っていられるのかが俺にはさっぱり理解出来ん。
「あ、この配役は涼宮さんが一人で決めたんじゃないんだった」
振り向く朝倉。
「ありがと、キョン君」
「如何致しまして」
取り敢えず返礼はしたものの、俺には何の自覚も無いんだが。
 
ところで、街を出る時に「ザッザッザッザ」っつー何とも懐かしい音がしたのはデフォルトか?
 
「さて、キョン君、ステータスウィンドウを確認してくれる?」
あ?何だ、いきなり。
「先刻、街からフィールドに出たの。此処からはもう、何時敵が襲ってきてもオカしくないわ」
っ……マジか?そういう事は早く言ってくれ!
「だから、言ってるじゃない。ほら、早くウィンドウを広げて?」
「分かった。ステータスウィンドウオープン、と。之で良いのか、朝倉?」
俺の目の前に青い画面が広がる。
「じゃあ、私に其のウィンドウをリンクしてくれる?やり方は……分かるわよね?」
ああ、古泉がやってたからな。確か、ウィンドウリンク、って言った後に見せたい相手の名前を言うんだったか。
「ウィンドウリンク、朝倉」
俺が言った途端に鳴るブザー音。ブブー、って奴だな。意味は言わんでも分かるだろうが「否定」。
「何でだ?」
俺は首を捻る。隣で朝倉が少し赤い顔をして……如何した、朝倉?
「一寸待って。今、私のウィンドウをリンクするから」
いや、そうじゃなくてだな。何でビープ音が出るのか、その理由を聞いているんだ、俺は。おーい、聞いてるか?
「ウィンドウリンク、キョン君」
朝倉の求めに応じて俺のステータスの隣に朝倉のステータスが表示される。
 
りょうこ ナイト LV6
力 42
体力 37
素早さ 29
器用さ 30
賢さ 124
魔力 21
HP 78/78
MP 22/22
 
おお、朝倉、レベル高いな。で、俺の質問には答える気は無しか?
「えっと、名前の所、見てくれる?」
りょうこ……涼子。
此処に来てブザー音に納得。ああ、そういう事ですかー。
「分かった?」
つまり、ウィンドウリンク等の対象を指定する際は、対象の此処での呼称を音声入力しなきゃならん、と。そういう事で良いんだな?
「うん。一寸慣れないとは思うんだけど……」
朝倉は両手の指を絡ませて下から俺を見上げる。
「涼子って、そう呼んで?……お願い☆」
 
騙されんぞ。俺は断じて騙されん。例え谷口的AAAランクの美少女が上目遣いに脳も蕩ける様なお願いをしてきた所で、この俺の鋼鉄の意志を砕けると思うなっ。
ハルヒの事だ、こんな音声認識システムにさえ何処かにきっと抜け道が有る、そうに決まっている!
あー、言っておくが元クラスメイトの美少女を下の名前で呼ぶのがこっ恥ずかしいなんて、子供染みた考えで駄々を捏ねているのではない。断じて違う。
ただ、ハルヒの創った世界でハルヒの思う通りに動くのが癪に障るだけだ。
其処っ、後ろ指差して陰口を叩くなっ!ヘタレって言うな!
朝倉が今にも火を噴出しそうに赤い顔をして、俺に接近してくる。少し眼が潤んでいるところなど、俺でなければ確実に男を骨抜きにしてしまえるだろう。
「 ダ メ ? 」
 
「ウィンドウリンク、涼子」
 
……もう一度言う。ヘタレって言うな!
 
「で、之が如何したんだ?」
火照りそうな顔をなるべく朝倉に見せまいと、顔を背けつつ聞く俺。
言っておくが、恥じらいは日本人の美徳だからな。其れはそうと朝倉よ、俺のステータスはそんなに繁々と見詰める程面白いか?
「へぇ、キョン君って私にこんなに好感度持ってくれてたんだ……一寸嬉しいかも」
……誓って言う。之はハルヒの陰謀だ。
「って、何処見てるんだ朝倉ぁっ!」
「え?あーっと、ゴメン、ね?」
畜生、舌を出して困惑顔を見せているだけなのに、なんで妹とは破壊力が桁違いなんだ……。
「そうよね、プライバシー……なのよね。勝手に覗き見て御免なさい。でも、やっぱり先刻まで嫌われてたっていうか、警戒されてた身としては只の数字だとしても素直に嬉しくて」
そう言って紫陽花の様に笑う朝倉。
「有難う、こんな私を信用してくれて」
生返事しか反す事の出来ない自分が心底恨めしい。
さて、本題に戻ろう。というか今にもモンスターに襲われかねないという状況で何を暢気にしているのか、俺達は。
「えっとね、ウィンドウの2ページ目を見てくれるかな?」
「へいへい」
言われるが侭にステータス二枚目を開く俺。成る程、先刻朝倉が見ていたのはコレか。確かに「好感度」なるステータスが出てやがる。
全く、無粋にも程が有るぞ、ハルヒ。現実には好感度なんてものは無い。フラグなんてものも存在しない。分かってんのか?
ああ、因みに此処での俺の好感度は禁則事項とさせて頂こう。いや、別に好き好んで男の愛憎メーターなんか見る奴なんていないだろ?
「キョン君、其処じゃなくて、其の下」
ん、「好感度」の下?えっと、何々?「習得済み魔法一覧」
……マジか。
「流石にLV1だから二つしか魔法は無いけど、自分の身を守る為にも、空で詠唱出来る様になっておいた方が良いと思うの」
朝倉の其の意見には俺も賛成だ。賛成なんだが……何だ、この呪文。ふざけてんのか?
 
「オチ=ロ=カトンボ」対象一体に魔法の矢を打ち込む。
「ポニ=テ=エルモエ」対象一体を時間断層によって現在、過去、未来から同時に消滅させる禁呪。
 
何でLV1でそんな最終兵器みたいな呪文が使えるのか、とか、この呪文の名前考えた奴完全に遊んでるだろ、とか……総評「帰って良いかな、俺」?
まぁ、帰り方が分かっていれば最初から苦労はしていないんだが。
とか考えている内に、長門の待っている森に到着。結局、最初の戦闘は此処での様だ。
 
いや、リアルにロープレやると当然ながらシンボルエンカウントになる訳で。
見渡す限りなだらかな平地じゃ敵と積極的に戦闘をしようと思わない限り、戦闘なんて始まらないものだったりする。
ゲームの冒険者って何であんなに敵に遭遇してるんだろうなかとか思っていたのだが、なんて事は無い。
奴等、残らず血の気多過ぎ。
之はゲームの世界に閉じ込められた俺にしか出来ない新発見であろう、うん。
 
此処まで来て俺は漸く気付く。
非戦主義→戦闘回避可能→レベル上がらず
嗚呼、このゲーム、欠陥品だ……。
 
「この森の中は危険だから、私の後ろから離れないで。絶対に逸れちゃ駄目よ?」
という朝倉の台詞を聞いたのがつい五分前。
因みにこの台詞以降、朝倉の声は終ぞ聞いていない。
勘の良い読者の皆様に至っては既にお気付きかと思うが、今、俺は暗い森の中で大絶賛迷子中である。
笑いたきゃ笑え。俺も笑うしかない状況だ。
あはははははは。
ってな訳で現在俺は生死の境を地味に彷徨っていたりする。
さて、一頻り笑った所で現実に立ち戻ってみよう。
 
……誰でも良いから助けてくれ。
 
しかしまぁ、逸れちゃったもんは今更仕方が無い。ので、森の中を勘で進んでみる。
入り口に戻るなりすれば良いじゃないか、って意見は尤もなんだが、御生憎様、どっちから進んできたのかさえも今となっちゃ分からん。
決して俺が方向音痴な訳じゃなくて、だな。明かりが無い夜の森ってすっげぇ迷いやすいんだよ。まぁ、俺もこうして実体験するまで知る由も無かったがな。
だが、俺だって何も考えずに唯ぼーっと歩いていた訳では無い。考える葦に連なる者の一人として多少なりとも知恵を巡らせたりはしたさ。
星の位置で方角を特定する、とかな。しかし、真上を見ても木の枝しか見えん。
大体、方角が分かっても、どの方角に進めば良いか分からん訳で。
星の位置にしたってハルヒの創った世界なんだから、現実の其れと同じである保証は無いのに気づいた時には絶望の二文字が頭を掠めた。
ホント、俺が何をしたって言うんだろうね。
しかし、そんな風に人生に一抹の疑問を投げ掛けてみても一向に事態は好転する筈も無く。だが俺に出来る事は朝倉か長門、ないし出口を求めて彷徨うだけだったりするんだな、コレが。
我ながら他者依存が過ぎるとは思うが、これが緊急事態である事を鑑みて如何か勘弁して頂きたい。
生き物の気配が森全体から伝わってくる。
唐突に聞こえてくるのは夜の森の番人、梟の鳴き声か。
「鳥の鳴き声に一々ビクつく俺を一体誰が責められるだろうか。いや、誰も責める事など出来ないに違いない」
なんて独り言を繰り返しているのは恐怖心からである。ああ、今だけはヘタレと罵ってくれて構わないさ。
でもな、同じ状況になってみろ?
真っ暗な森の中でたった一人で方角も分からず、挙句の果てにはモンスターまで出るんだぞ?ビビるな、って言う方が無理だろ。
でもって俺は自分で言ってて悲しくなるくらい一般人なんだよ。
 
そう一人ぼやきながら道無き道を進む。
と、其の時、草葉の陰ががさがさと音を立てた。
途端に頭の中で自動的に流れ出すアップテンポな音楽。瞬く間に目の前で展開されるコマンドウィンドウ。
こんな時に限って、と言うか。狩る側としては当然のタイミング、と言うべきか。
全く、俺は幸運の星には心底見放されているらしい。
俺は杖を握り直して其の柄の長さを確認すると、足を広げて地を踏みしめた。
身体は恐怖で竦んでいるが、其れでも動けない程じゃない事を確認する。
よし、何時でも来い。
……でも、出来れば来るな!マジ、来ないでくれ!
だがしかし、こんな時の俺の願いは先ず聞き届けられる事は無く。今回に限って其のジンクスが外れるなんて事も無い訳で。
空気を読まないでか空気を読んでか、そんな事はもう俺だって知ったこっちゃねぇ。木の陰から飛び出してくるのは黒い生き物。
闇に包まれて何なのかは判らないが、もうもうと荒い鼻息を上げていらっしゃいますよ。
ああ、やっぱやる気十分かっ!
 
キョン は いのった 。 しかし いのり は とどかなかった 。
 
こうして俺の、人生初の生死を賭けた戦闘が始まった。
 
猪って本物を見た事が有るか?残念ながら俺は無い。いや、今、目の前に居るんだから、無かったと言うべきだな。
偶にニュースとかで猪猟解禁とかが流れるのを見るぐらいで、実際にこの目で確認した事はなかった。そういう点で宇宙人みたいなもんだと言うのは一寸強引ではあるか。
まぁ、俺が此処で言いたいのは、だ。
猪も宇宙人も、本物を見たら其れまでのイメージなんて風に吹かれたセロファン紙みたいにさらっと吹き飛ぶぞ、って事だ。
百聞は一見に如かず、とは山本周五……おっと古泉に毒されてきているな。
 
ちなみに冷静を装ってはいるが、心臓は朝倉に殺されかけた時並に早鐘を打っているのは御察しの通りである。
 
さて、猪よ。如何して君はそんなに立派な体躯をしているのかい?具体的に言うと俺の妹とミヨキチが電車ごっこをしているくらいの、そりゃもう御立派な其の体付きの事なんだが。
「ぶふぅっ!」
俺の問いに相槌を打……っている訳では決して無いのだろう、猪は一声鳴いた。
どっちかと言うと土俵入り前にお相撲さんが気合を入れる為に「どすこい!」って言って自分の頬を叩いている感じだ。
猪よ、何でお前はそんなに好戦的なんだ?見た物全てを傷付けずにはいられない硝子の十代か、お前は?
「ぼふぉっ!」
おいおい、一寸落ち着けよ。ほら、其の後ろ足で土を蹴り上げるのを止めてだな。腹を割って話し合おうぜ、ブラザー。
きっと俺達の間には何か悲しい勘違いが有っただけで、こうして拳?を交える必要は何処にも無いのさ。
ほら、俺だってお前が矛を収めてくれれば何もしないさ。そうだろ?
伝われ、俺のマイハート!
 
キョン は いのった 。 しかし いのり は とどかなかった 。
 
本日、二度目である。
 
とか悠長に言っている場合ではない!猪はとうとう痺れを切らして突っ込んで来やがったっ!
「マジかよぉっ!」
瞬間的に横っ飛びして着地に失敗。派手にすっ転ぶ。
直接地面と擦れた左腕に若干痺れを感じるがそんな事に構っちゃいられない。俺は慌てて立ち上がり、猪と再度対峙する。
如何にか初撃はかわしたらしいが、猪の奴でかい図体に似合わず目茶目茶速いし!こんなもん何度も避けられるもんじゃないぞ!
と言うか、責任者、出て来いっ!
「ばふぅ……」
俺の右方向10m程度の所で唸り声。翻訳蒟蒻が無くても今なら、アイツの言いたい事が分かる気がするね!ああ!
間違い無く「この期に及んでジタバタすんなよ、見っとも無ぇ」だろ?そうだろ?ヤツの眼は何時か見た仁侠映画のヤクザさんにそっくりだしさぁ!
如何する、俺。この状況で俺が何をするべきか分かる奴が居たら今すぐ此処に飛んで来い。そして俺に説明は要らんから猟銃を寄越せ!
焦った頭で俺は駄目元で叫んだ。
 
「詠唱呪文選択画面展開!術式構成開始!『オチ=ロ=カトンボ』!!」
 
呪文を使う、其のやり方を古泉や朝倉から教わっていた訳ではない。
詠唱画面云々も術式展開如何こうも即ち、全部当てずっぽうだった。其れっぽい台詞を並べただけだというのも理解していたが、心の何処かで確信していた。
もしも、この世界が俺とハルヒの合作だというのなら。
俺の頭の片隅に有る餓鬼っぽい妄想も少しは反映されている筈だ、と。
しかして、其れは正しかったのだと、俺は知る。
 
俺の持っている安っぽい杖の先端に緑の光が灯り出し、同時に俺の口が勝手に言葉を紡ぎ出す。
何時ぞや長門が見せたような高速詠唱。其れが紛れも無い俺自身の口で行われているのは何の冗談だよ、一体。
其れは三秒と待たない内に「術式構成終了。レディ?」と言い残して終了する。「レディ?」って無駄に格好付けてんじゃありません。いや、俺の口から出た言葉なんだが。
杖の先に灯っている灯りが一層強くなっている所を見て、俺は現状を正しく理解する。
成る程「ウィザード」ね。武器は杖でも肉体でも無い、ってか。木の棒なんかしっかりと握り締めて、俺は何を勘違いしてたんだろうな。
 
怯えて前線に出る事も出来そうに無い、之以上無く俺にぴったりの職業じゃないか。
加えて口八丁、手八丁で数々の難題を潜り抜けてきた俺以外には、確かにこの職業は向いてないね。
先刻までの焦りは何処へやら。目前に迫る危機に対抗する術を手に入れた俺は平静を取り戻していた。
人間とは悲しいほど現金なものである。
 
猪は俺に向かって第二弾の準備と言わんがばかりに、鼻息を一際荒げ、後ろ足で地面を抉る。
まるでランナーがスターターを確かめているようで、其の様子からはこの一撃に全てを賭けると言った気迫が見て取れた。
だが、残念だったな。俺にはお前の二撃目を甘んじて受け入れる理由も、待つ義理も無いんだぜ、畜生よ。
俺は万感の思いを込めてもう一度叫んだ。
「墜ちろ、カトンボ!!」
 
瞬間、杖の先に灯っていた緑の光が槍と化して、猪の横っ腹を貫いた。
 
「如何か、もう起き上がって来ないでくれよ」
俺はそろりそろりと猪に近付いて、杖の先で二、三度突付いてみる。
「……」
返事が無い。只の屍の様だ。
ふぅ。取り敢えず、当面の危機は去ったな。
「未だ。寧ろ此処からが本題」
「うぉぉっ!?」
何処から現れたのか、俺の隣には元祖宇宙人、長門が何事も無かったかのようにすっくと立っていた。
ああ、三点リーダに鉤括弧が付いていたのはそういう理由ですか。そうですかー……誰が分かるか、そんなもん!
全く、心臓に悪い登場の仕方をしないでくれ。今後は俺を見習って、ノックをするなり何なりして如何か突然現れるのは自重して頂きたい。
「この周辺には扉が無い」
そうだな。此処じゃノックは出来ないな。うん。長門よ、もう少し融通というものを俺と勉強しような。
「善処する」
 
「其れはそうと、長門。お前、見てたんなら助けてくれても良いんじゃないか?」
俺は顔を崩しながら尋ねる。
「私が人的行為によって灯されたと思われる緑光を見つけたのが一分16秒前。そして貴方を視覚情報で確認したのは貴方が猪を狩る0.7秒前。
普段の私ならば一瞬で光の下まで移動出来たが、この世界ではインターフェイスとしての動作が制限されている為に貴方の元へ駆け付けるのが遅れた」
長門は俺の目をしっかりと見つめる。
「御免なさい」
見れば長門の身体には木の枝や葉っぱが所々引っ掛かっている。
あー、何だ。長門も一生懸命駆け付けてくれたんだよな。
「謝るのは俺の方だ。長門、お前は俺の事を心配して走って来てくれたんだよな」
言いながら長門の服に付いた枝葉を払い落とす。
「有難うな」
コクン、と長門は頷いた。之だけで済めば、何だかんだ言って長門との再会も何時も通りだったんだ。
だが、そうは問屋ならぬハルヒが卸す訳も無く。
小さく頷いた長門の頭には耳が生えていた。
 
「ね……ネコミミッ!?」
 
「ネコミミ?」
長門が首を傾げる。いやいや、この場合は「にゃがと」と呼称した方が正確なのか……って何を考えているんだ、俺は!
焦るな、俺。ほら、素数を数えよう。2、3、5、7、11……。
よし、落ち着いた。先刻のは目の錯覚だったんだよ、きっと。猪の所為で何を見ても動物に見えちまうとか言う、特殊なトラウマだ。そうに決まっている。
ほら、もう一度よく長門を見てみろよ、俺。耳なんて四つも有るくせに可愛らしい尻尾まで揺れているじゃないか、ウワーイ。
 
(只今、キョン君が錯乱して樹に頭をぶつけています。モニターの前にスプーンを用意して暫くお待ち下さい。良いですか?↑まっがーれ↓)
 
「心拍数が増大している。戦闘はもう終わっている。貴方は少し落ち着いた方が良い」
長門よ、そうは言うが俺の理性との戦いは今始まったばかりだ。お前は知らないだろうが、人間の中には天使と悪魔が同居していてだな……。
長門は俺の言っている意味を良く理解出来ないのか、小首を傾げる。
あーもう、いちいち可愛いなぁ、チクショウ!
 
キョン<今回ほど作者のあざとさに呆れた回は無いな。
にゃがと<……?
キョン<……しっかりしろ!惑わされるな、俺!


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