ハルヒSSの部屋
小ネタ「未来派ノスタルジィ」
「どうだった? 今回の任務は?」
みくる「色々……そう、色々有りました」
「そっか……ま、損な役回りだよな、僕らは。どれだけ親しくなっても、別れが最初から設定されているんだから」
みくる「貴方も、ですか?」
「そうだね。でも、その度に僕はこう考えるんだ『出会う事の無かった人と出会えて話が出来る機会を与えて貰っている』ってね」
みくる「でも……別れは辛いです」
「別れが辛いのは、出会えて嬉しかったからだろ?」
みくる「其れは……そう、ですけど」
「僕はワクワクしてる。次はどんな人に会えるのか。もしかしたら、前に別れた人に会えるかもしれないね」
みくる「……強いんですね」
「僕が? 真逆!」
「でも、さ。僕はこの仕事が嫌いじゃないよ」
みくる「会いたい人でも、居るんですか?」
「よく分かったね。其の通りさ。過去に、親友が居る」
みくる「『居た』ですよね?」
「いや、『居る』だ。彼が作ってくれた未来を、今僕は歩いている。弱音なんて、吐けないよ」
みくる「あの人が作ってくれた……未来を……」
「いつかきっと『ありがとう』って言いに行くんだ。何年先か、何十年先か、分からないけど……其れでも、いつか」
みくる「素敵ですね」
「そうかい? 夢見がち、ってよく笑われるんだけどな」
みくる「そんな事はありませんよ」
「そっか……朝比奈さんみたいに話を聞いてくれる人がもう少し増えてくれれば、嬉しいんだけどね」
「こればっかりは仕方ないか」
みくる「私なら何時でも……」
「ありがとう。……やれやれ」
みくる「!? その……仕草は?」
「嗚呼、僕の『親友』の癖なんだけど……いつの間にか伝染っちゃったみたいだ」
みくる「えっと……その……その人の、名前を聞いても良いですか?」
「ん? いや、いいけど。その彼の名前は……」
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