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彼氏と彼女
彼氏と彼女 (バレンタインデー)
彼女「デートなんて遊園地に行ったとき以来だね。どういう風の吹きまわし?」

彼氏「バレンタインに恋人をデートに誘うのは普通だろ」

彼女「寒いからそこの喫茶店入ってどこ行くか考えよっか」

彼氏「そうだな」

カランコロンカラン……

佐々木「いらっしゃ――」

カランコロンカラン……

彼氏「服でも見に行くか?お前ほしがってただろ?」

彼女「う、うん……」

彼氏「確かこのあたりだよな……おっ、あった。このドレスなんかどう?とりあえず中に入る?」

彼女「着る機会ないよ……いいよ、ウィンドーショッピングで。十分楽しいよ」

彼氏「風のように通りすぎるから……ウィンドーショッピング、だよな?」

彼女「いや、違うよ!?そのウンチクみたいなの二度と言わないで」

彼氏「もう七時だし、晩御飯にするか」

彼女「なに食べる?」
彼氏「有名なレストラン予約してあるから」

彼女「えっ!どこ?」

彼氏「ガクト……じゃない、ガスト」

彼女「ファミレスかよ!ガクトとガストを間違えるボケにはつっこまないからね!」

彼氏「冗談だよ、有名なホテルの中にあるレストランだ。着いたぞ、ここがそうだよ。入ろう」



彼女「そりゃそうよね……ガストは予約しなくても入れるだろうし」

彼氏「あの席だ」

彼女「じゃ、とりあえずワインで乾杯だね、乾杯ー!」

彼氏「あぁー、酔ってきた」

彼女「乾杯で!?」

彼氏「いや、自分に酔ってきた」

彼女「やかましい」

彼氏「俺たち趣味とか合うから長く続いてるよな」

彼女「そうだね。テレビとか音楽とか似たようなもの好きだし。最近ドラマ見てる?」

彼氏「もちろん。香取慎吾主演の花のない薔薇屋とか」

彼女「薔薇専門店!?『薔薇のない花屋』だよ。映画とかは?なんか、自由自在にテレポートするやつあるじゃん」

彼氏「あぁ!はいはい、ダウンジャケットだろ?」

彼女「『ジャンパー』だよ!無理矢理にもほどがある!バレンタインくらい真面目に話してよ」

彼氏「そうだ、プレゼント用意してきたんだ」

彼女「本当?給料三ヶ月分の現金とか無しだよ?」

彼氏「えっ、そ、そうなの?やべ……プレゼント家に忘れてきた」

彼女「図星!?……プレゼントはホワイトデーでいいよ。今日はバレンタインだから私から……どうぞ」

彼氏「ありがとう……チョコレートか、嬉しいよ」



彼女「昨日頑張って作ったんだよ」

彼氏「えっ……手で作ったのか?その手で」

彼女「普通は『手作りなのか?』だよね。手で作ったことが嫌みたいに聞こえるんですけど」

彼氏「そんなことないよ、本当ありがとう」
彼女「うん、そろそろ出る?」

彼氏「いや、ホテルの部屋予約してるんだ」

彼女「こんないいホテルに泊まれるの?」

彼氏「あぁ、でもその前にトイレで顔の特殊メイクははずしてこいよ」

彼女「特殊メイクしてねぇよ!」


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