先生 × 生徒シリーズ (with かずねちゃん)
4
「で?学者か?」
「ううん、教師にね、なろうと思うんだ。」
教師。
俺にとってある意味トラウマでもある存在。
でも俺には、伝えなくちゃいけないことが沢山あるから。
『歴史』自体じゃない。
その裏にあった気持ちを。想いを。
だから大丈夫だよ、って。伝えたいんだ。
「でも、お前…」
「大丈夫だよ。あの人のことは、関係ないんだ。」
太郎には全部話してある。
先生のこと。別れた理由。僕が歴史を学んでる訳。
全部話し終わった後、太郎は一言だけ言った。
「そうか。」と。
それを聞いたら何故だか涙が出てきて、太郎に抱かれながら泣いた記憶がある。
本当はもしかしたら、誰かに言いたくて仕方なかったのかもしれない。
忘れたくは無いとは言っても、重くて。冷たくて。
だから、太郎には感謝してる。絶対に言わないけど。
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