先生 × 生徒シリーズ (with かずねちゃん)
2
就職。
大学生になると、嫌でもその現実が目の前に現れてくる。
『お前何になる?』とか。
中には、『どこの会社受ける?』
なんていう具体的な言葉すら聞こえてくるほどだ。
まあそれも仕方ないことだろう。
世の中は不況だとかで皆が皆無事に就職できるわけではないのだから。
「晴希は仕事どうすんのー?決まってたりする?」
経済学部歴史科に進んだ僕は、日本史を専攻しながらも世界の歴史を学んでる。
「うーん、まあ…」
こいつは大学に入ってからすぐに仲良くなった山田太郎。
あまりにも平凡で一般的に親しまれすぎているその名前が、本名なのだ。
顔とかは全然普通じゃないけど。
あの頃の俺は先生と別れて周りのことがどうでもよくなってて。
大学に入ったはいいが周りの人間と親しくするのにもやる気が起きなかった。
でも今は、こいつのおかげで随分元気になった、と思う。
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