修正版(途中) 2 転入生は優秀だった。 騙す相手では、という意味で。 人を簡単に信じる。 誰とでも仲良くなれると思ってる。 純粋だと言えば聞こえはいい。 だが、立場が違えば善も悪も違うように、長所も見方によっては短所になるものだ。 …こいつがいたら、響がいなくなるかもしれない。 …いなくなることは無いにしても、害になることは間違いない。 それは、俺にいつの間にか染み込んだ、物事を図る一つの基準だった。 そしてさらに好都合なことに、転入生は俺に惚れてくれた。 まあ当然といえば当然の話だ。 そうなるように行動しているのだから。 いくら副会長だとか書記(多分)だとか、その他クラスメイトだかがいても、俺がそいつらに負けるはずは無い。 だが、予定は狂う。 ――親衛隊が動かない。 転入生が、天野柚の容姿が整っているから。 そしてそのまま時は流れ、遂に9月。 響が、帰ってくる。 [*前へ][次へ#] [戻る] |