在世界一號,
3
「ねぇ彬ー、あの子誰よー?」
よく考えれば、あの子と会ったことはないし、部屋の割り振り表を作ったときの顔写真でも見た記憶はない。
うるさいやつが生徒副会長の笹目と話している間に、近くにいた生徒会長・宇野彬にこっそり耳打ちする。
実は今は夏休み最後の一週間。
日付で言うと9月3日。
この学校は夏休みは仕事等を手伝っている生徒も多いため少し長めだ。
しかも宿題がない。やってる暇もないからだろう。
俺もそんな例に漏れず、公演の為にずっとヨーロッパに行っていた。
しかも俺の場合は夏休みが始まるもっと前から。
確か日本を発ったのがGW少し明けで、新入生歓迎会が終わった頃だった気がする。
「転入生だ。お前がいなくなって少しした頃に来た。」
「転入生ぃ?」
この学校に転入生が来ることはそうそうない。
まずそれだけの財力があれば幼い頃からここに入っているはずだし、
何より編入試験が恐ろしく難しいらしい。
つまり転入生自体はいつでも受け付けているのだが、試験にパスできないというわけ。
そんなこの学園に、編入生?
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