在世界一號,
6
「知らねぇよそんなん。」
言われた言葉に、一瞬目の前が真っ暗になった。
「言わなくちゃ、わかるわけねぇだろ。」
「だったら、」
「面倒なことをお前が厭うから、聞けねぇしよ。」
悪いのは、俺なのか?
「俺と会長のことは、もういい。今俺が話しに来たのはそのことじゃないし。
転入生、どうするつもりなの。」
「どうするって、別に、今のままでいいんじゃねぇ?」
「いいわけない。規則を俺たちが破ってどうするの。」
「ああ…じゃあ響やっといて?」
「なんで。嫌だよ。」
「だってめんどくせぇよー」
「そういう問題じゃない。あ、それと」
「俺もう、会長のために音楽やるの、辞めるから。」
あいまいなままにするのだったら、こんなこともう全部終わりにしよう?
俺はあんたのどこにも介入できないのに
俺だけがこんなに苦しいのは嫌だ。
音楽まであんたに支配されたら、俺は進めなくなる。
俺はもっと先に、進まなくちゃいけないのに。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!