在世界一號,
11
「シィァン。」
「なぁに。」
この先くらいわかってる。
俺がこの学園に未だ居続ける意味そのもの。
本当は義務教育が修了した時点で、俺はヨーロッパに移住する予定だったのだ。
それを取りやめて俺がここにいるのは、全部――。
「弾けよ。」
「…。」
「俺の為に、弾け。」
こいつの為、だ。
俺はそのためだけにここにいる。
返事なんてしても意味が無い。
だから俺は、その代わりに置いてあったバイオリンケースを手にとって、生徒会室を出た。
後ろに、会長の気配を感じながら。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!