在世界一號,
6
「じゃあなんであの子ここにいるの?」
「笹目が気に入って連れて来るだけだ。」
「へぇー。」
あんなうるさいの入れんなよ笹目。
ここはお前だけの場所じゃないんですけどー。
「じゃあかいちょー追い払ってよぉ」
「悪いがそれはむ「なぁなぁお前らさっきから何話してんだよ!?」」
…うわ来たよ。
百歩譲ってこちらの話に入ろうとするのは許すとしよう。
だけどなんで人の話をさえぎるのだろうか。子供か。子供なのか。
「無視すんなよっ!何話してたんだ!?」
「ただ仕事の話だ。拗ねんなって。」
「なっ、拗ねてねぇよ!彬の勘違いだろっ!」
正直かいちょーがあいつは俺に『惚れてる』って言ったとき、ちょっとよくわからなかったけれど、
今、ああこういう雰囲気なのかと思った。
こいつが5月始めに来たとして、まだ4ヶ月ちょっと。
誰かを好きになるっていうのは、そんなに容易いことなのだろうか。
あの人が俺に教えてくれたときの雰囲気じゃ、そんなことはないみたいだったけど。
まるで、一生に一度しか味わうことの出来ないもののような。
そんな大事さをもって、あの人は教えてくれた気がしていたのに。
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