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Long Song
6


「永久、お前なぁ…」

「あ、響じゃないですか。」

「あ、響じゃねぇ!なんだこれは!」

なんだこれは、って言われても。
俺、何か変なことしたかな。

「意味わかんない、みたいな顔してんなアホ!」

ぱしん、と軽く頭を叩かれると、遠くから女の人の声が聞こえた。

俺、昔の名残で今も耳は異常にいいからな。
案の定、響の方を見ると聞こえていないみたいで。

「あっちです!高校生ぐらいの子が…」

警察でも呼ばれたかな。まぁ俺は全然構わないんだけど。
でもこれじゃ響も共犯みたいに思われちゃう?

…というかぶっちゃけ俺、悪いことしてないよね。
あれかな、蹴っちゃったのはやっぱりまずかった?でもあれは完全に正当防衛でしょ。あそこでやらなかったら俺絶対殴られてたし。

それでもやっぱり、響がいると色々面倒だから。

「何、おじさんさっきの人たちと仲間?うざいなもう。」

『は?』という顔をした響を、いきなり蹴り飛ばす。
道の真ん中から、端まで。だいたい2.5mくらい。
響の体のことははもうわかってるから、ちゃんと手加減して。痛くないように。

(やば、俺優しー。)
しゃがみこんだまま意味がわからなさそうにしている響の腹に足を置いて、イラついている感じで言う。

「さっさと帰ったほうが、身のためだと思うけど、どう?」

「そこの子!やめなさい!!」

とそこで丁度よく、警察の人が登場。
いつの間にか集まっていた野次馬たちを一睨みすると、すぐに散っていく。

下から俺を見上げる響に、周りから見えないように一回笑ってから警察の人がいるほうに振り向く。

そしてその人に向かってまたにっこりと笑ってやると、何を怒ったのかずかずかと歩いてきて二の腕を掴んで歩き出した。
どうやら交番まで行くつもりらしい。

「おじさん、交番行っても無駄だよ。ここらへんの管轄、小暮さんでしょ?」

小暮さん、の名前を出した途端おじさんが止まって振り向く。
そりゃそうだ。だって小暮さんこの市の警察の署長だからね。

「何で小暮を知ってる。」

「何でって、…知り合いだから。」

小暮さんは俺が初めて本気で付き合った、たった一人の人だ。

別れたのは、半年前だったと思う。
付き合ってたのも、半年くらい。


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あきゅろす。
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