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Long Song
5



夜9時。響から渡された紙の中のひどく大雑把な地図を見ながら、看板を一つずつチェックしていく。
ちょっとわかりにくいけど、とは言っていたが、ちょっとどころじゃない。
確かに場所はここらへんで合っているはずなのに、見つからないのだ。

肩に衝撃を受けて小さく舌打ちをすると、どうやら聞こえてしまったらしい、ガラの悪い人たちに腕を掴まれた。

「…何。離してくれない。」

思いっきり眉をしかめて振り向くと、男たちがにやにやと笑い始める。

(人の顔見て笑ってんじゃねーよタコ。てめぇらよりよっぽどいい顔してるっつーの。)
思わず口に出しそうになるのを懸命に抑えて掴まれた手を振りほどく。

「年上に対する態度ってのを教えてやるよ。ちょっとついて来な。」

「あいにく俺には自分より精神年齢低いやつを敬う趣味はないんでー。そういうのは一人でどうぞ?」

見る見る間に目の前の顔が赤く染まっていく。
やばい、単純すぎて笑える。

「っのやろう!!」

振り上げられた拳を何をするでもなく見て、

「当てるつもりなら振りかぶらないほうがいいと思うよ?」

それが振り下ろされる一瞬前に相手を蹴り飛ばす。
後ろに立ってた(多分)仲間も一緒に1mくらい飛んで、地面に転がった。

(んー…なんか、いまいち。本当なら2mくらい吹っ飛ばせるのになぁ。
意外と重かった?感触も柔らかかったから、メタボとか?うわぁ、嫌だな。)

「…もしかしてメタボ?」

メタボの人を蹴ったのは初めてだ。
でも普通こういう人たちって腹筋とか割れてるもんなんじゃないかと思うんだけど。

「ひぃっ!」

変なものを見たような声と顔をして一目散に逃げていくおっさん達。
無視するのは人間的によくないのに。ひどいなぁもう地味に傷ついたぞ。



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あきゅろす。
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