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透、風紀を守る! 8
「透、こちらが唐草先生。風紀委員と剣道部の顧問をやってらっしゃる。俺も補佐で一緒に回るからな」

 ああ、これが木戸先生が頭が上がらないという……。

「教士八段の腕前、見てみたいなぁ……」

 俺がそう呟くと、

「相変わらずの武道オタクね」

 と、美希先輩に笑われた。



 見回りは2班に分かれて行うことになり、美希先輩と仲代先輩が唐草先生と共にAルート、俺は篠原先輩と木戸先生の3人でBルートになった。

「Bルートは、駅前のゲーセンとファミレスあたりを重点的に回るから」

 校則では、学校帰りに生徒だけでそういう店に入ることは禁止されている。残念ながらあまり守られていないけれど。

 とりあえず、1度目は厳重注意だけに留め、2度目以降は遅刻と同じくカウントされていくそうだ。

 3人で雑談しながらゲームセンターに到着する。

 入り口から覗くと、店内は制服姿の男子で埋め尽くされていた。

「おし。透はここで、蒼は裏口を張ってくれ。俺が一人ずつチェック入れてくる。うちの生徒で手帳を見せないヤツは抑えておけよ」

「先生、楽しそうですね」

「ふふん、腕が鳴るぜぇ」

 木戸先生は小脇に抱えていたセカンドバッグを篠原先輩に押しつけ、悪そうな顔で笑いながら乗り込んで行く。

 アンタ、絶対に学生時代は取り締まられる側だっただろ。

「足達君、こちらはよろしくお願いします」

 俺の肩をひとつ叩くと、篠原先輩は裏口へと回っていった。

 そのうち、ゲームセンターの中が騒がしくなり、ハチコーの生徒が一人、入り口の方に走ってくる。

 しかし、俺の腕章を見るなり顔をこわばらせた。

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