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透、風紀を守る! 9
「残念でした。生徒手帳見せてください」

「……ンなもん、持ち歩いてねぇよ」

「では、後ほど名簿を確認するらしいので、少々お待ちください」

「…………」

 生徒の呼吸が浅くなる。

「今、こんな怪我人なら振り切れるとか思ったでしょ。親切で言っておくけど、俺、片手だと手加減できませんから。ちなみに裏口は委員長が張ってるので、逃げても無駄です」

 俺の満面の笑みにその生徒は得体の知れない恐怖を感じたようで、がくりと肩を落とした。

 木戸先生が捕まえたのは4人、裏口に逃げたのが2人。こちらに逃げてきた彼を含めて計7人が、このゲームセンターでの収穫(?)となった。

 結局、誰一人として生徒手帳を持っておらず、木戸先生はセカンドバッグからPad型の機器を取り出し、名簿閲覧ソフトで顔と名前をチェックしていく。

 照合の結果、名前をごましていたことが発覚した生徒には、木戸先生の拳がグリグリとこめかみにねじり込まれた。

「いでっ、いでででっ、暴力反対!!」

「愛だろ愛。唐草先生じゃなくて良かったなぁ。あの先生の前で嘘なんかついてみやがれ。こんな生ぬるい愛じゃ済まねぇからな」

「教育委員会に訴えてやるっ」

「おー、随分と賢いことゆーじゃねーか。どーぞどーぞ。覚悟もなしにテメェらの面倒見てると思うなよ?」

 ヤンコーと名高い我が校の不良生徒も、さすがに元伝説のヤンキーの迫力には適わなかったらしく、ヒクッと引きつって黙り込んだ。

「ま、お前らみんな今回が初めてだ。一度目は厳重注意ってことになってる。いいか、遊びたいならちゃんと一度家に帰って着替えてから来い。それから高校生がここに出入りしていいのは夕方6時までだからな」

「……」

「返事がねぇ!」

「ふっ、ふぁいっ!」

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あきゅろす。
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