透、風紀を守る! 4
そして、翌日。
さっそく風紀委員の初仕事、遅刻チェックの仕事が始まった。
風紀委員は俺を含めて4人しかいないため、週に1〜2回は当番が回ってくる。委員長である篠原先輩は、当番と共に毎日門限の時刻に校門に立っているらしい。
「足達君、いきなりのお仕事でごめんなさい」
「先輩は毎日なんですよね。ご苦労様です」
「日課だと思えば、仕事のない土日が物足りないくらいです」
篠原先輩がいたずらっぽく肩をすくめたので、俺もつられて笑った。
門限のチャイムと同時に、沢木が駆け込んでくる。
「おっ、トールちゃん。さっそく今日から仕事かよ」
「まーね。たとえ友達でもオマケはしないからな。もうちょい早く来いよ」
そう言いながら校門の柵を閉めかけた時。
「……やべっ、今日も2人いるじゃん」
「ベソかいて学校辞めたヤツの当番日だから余裕、って言ったの誰だよー」
3人組の不良が、ゲラゲラ笑いながら登校してきた。
篠原先輩がそちらをキッと睨むと、不良の一人が塀を乗り越えて学校に入ろうとした。
「ここは頼みました」
そう言って、篠原先輩が追いかけていく。それを見たもう二人の不良はニヤッと笑い、俺のいる門の方へと突っ込んできた。
「おっ、無謀だな」
まだ近くにいた沢木がさも面白そうに見物を決め込んだ。
俺はスッと身を引き、門に隙間を作る。
不良が一人その隙間に突っ込んできたところで、胸ぐらを掴み足を払ってやると、スパーンときれいに一回転した。
沢木が「ヒュウ」と口笛を吹く。
片腕でもこれくらいはできるんだ。舐めてもらっちゃ困る。
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