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透、真剣勝負! 10
 俺の言葉が終わらぬうちに、ルネに腫れ上がった腕をつかまれて、俺の身体は床に縫いつけるように押し倒された。

「いってぇー!」

「頷くまで帰さねぇ」

「ふざけんな!」

 残り僅かな力で足掻いていると、不意に店の外が騒がしくなった。

 扉がバンッと開くのと同時に人が飛び込んでくる。

「トールちゃんっ、だい、じょ、ぶ……」

 入ってきたのは沢木だった。

 が、その顔は一瞬にしてピキッと固まった。

 おそらく沢木は、俺の連絡を待ちきれずに様子を見に来て、店の入り口に不良どもがたむろしていたために慌てて飛び込んで来たのだ。

 ところが、沢木が目にしたのは、ルネに組み敷かれている俺。

 ルネは上半身裸だし、俺の服は乱れて汗だくだ。

 ぎこちなく視線をそらす沢木。

「ちがっ、違うんだぁぁあ!」

 慌てふためく俺を見て、ルネがニヤリと笑って言った。

「つれねぇの。さっきは俺の顔に自分から股間押しつけて来たくせに」

「のわああああっ! 三角締めをエロいことみたいに言うなぁ!」

 ようやく状況の掴めた沢木はホッと息をつくが、

「こいつ、“うち”で貰ったから」

 というルネの言葉に、表情は一層険しくなった。

「おっと、《カブキ》は無関係だったな。お断り入れる必要もないか」

「……んだと。フザケてんじゃねぇヨ?」

「テメェのもんじゃねぇだろうが」

「うっせぇよ。こいつには“うち”の副長からもお声がかかってんだ」

「……へえ。それなら、なおさら今のうちに唾つけとかねぇとな」

 怒りを孕んだ視線を向けられたルネは、愉快そうに笑いながら俺のアゴをクイッとつかんだ。

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あきゅろす。
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