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透、真剣勝負! 3
 放課後、沢木は喫茶ブルースカイから少し離れた場所にあるファーストフード店で時間を潰すと言って、俺を見送った。

 古びた喫茶店の窓にはカーテンが引かれており、中が見えない。ふぅ、と息を吐いてドアを開く。

 喫茶店の中はやたら煙かった。

 客……と言っていいのかわからないが、みんな同じ高校のグレーの制服を着ている。お前ら、未成年で堂々と煙草を吸い過ぎだ!

 カフェテーブルは奥に積み上げられて、ソファだけが壁ぎわに並んでいる。掃除中だろうか。

 思わず準備中の札を確認しようと振り返ると、そこに立っていたのは、灰色のブレザーを肩から羽織った金髪の男。義家ルネだった。

「一名様、ご案内」

 嬉しそうに目を細めたルネは、手の中に持っていた携帯を見せる。

「リョーの必死なメールには笑っちまったヨ」

 ……こいつ、早川の携帯で俺を呼び出したのか。

「早川は?」

 俺の問いに、ルネはあごで奥の扉を指す。

 すると、喫茶店のプライベートルームが開かれ、足と手を縛られて猿ぐつわまで噛まされた早川が放り出されて床に転がる。

 早川は呻き声ひとつもあげず、そのままぐったりと横たわったままだ。駆け寄ろうとするもルネに腕を取られ、さらに店にいた不良たちが俺の前に立ちはだかった。

「お前ら、チームメイトだろ。なんでこんなことするんだよ」

 俺が苛立ちを隠さずに言うと、ルネは鼻で笑った。

「お前を呼び出せっつったのに、逆らったから」

「……子供か」

 俺は、俺の腕をつかむルネの腕を捻ろうとしたが、その前に振り払われた。

 投げ技を警戒されているのが見て取れた。

「義家ルネはタイマン好きだって聞いてたけど、それはただの噂?」

 そう言うと、ルネの口元がゆるむ。

「違わねぇよ」

 ルネはそう言うと、羽織っていたブレザーを投げ捨てた。

「カバンと携帯よこせ。どっかに連絡入れられると面倒だ」

「…………」

 沢木、無念。

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