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透、キレる! 10
 放課後、俺は某ファーストフード店に来ていた。沢木の奢りで。

 心配そうについてきた井原の分もついでに奢らせたが、むしろ井原の方が恐縮していた。

「……んで?」

 俺がオレンジジュースを啜りながら不機嫌そうに問うと、沢木は大きな体を小さくして、うなだれた。

「どうも木戸サンからナベサンに俺が怪我したってのが伝わったみたいで。週末の集会の時に締め上げられてよ……スマン!」

 沢木はテーブルに両手とおでこをつけて、平謝りしてきた。

「……はっ、集会? 何の?」

「う、うちのチームの……」

「ってことは、うちの副会長って、沢木んとこの……」

「……副総長デス……」

 ぃゃぁぁぁぁーッ!!

「で、ででっでも、大丈夫だったろ? 副総長、うちのチームの中じゃ穏健派だから。何もされなかったデショ?」

 沢木は俺に怪我がないか心配そうに見つめてくる。

「…………」

「え、どっ、どこか痛いのかっ?」

 フルフルと首を横に振る俺の顔を見て、井原は青ざめながらボソリと呟いた。

「足達、またキレた、とか?」

「…………」

「……ちょっと体当たりして逃げただけダヨ……」

「まっ、マジかッ?!」

 沢木は髪の毛をかきむしり、井原は言葉を失っていた。

「お前……どんだけよ。あの人、ボクシングでインハイとか出てんだぞ?」

 見た目詐欺すぎる……と、沢木はため息をついた。

「そういう大事なコト、先に言っておいてよ……。知ってたら、素直に殴られてパンピー決めこんでたっつーの。あ、じゃ、沢木が心酔してる生徒会長も……」

「んー、まあ。……須藤サンが総長?」

 沢木は申し訳なさそうにうなずいた。

 うちの学校ってば、ほんと、由緒正しい不良校だこと!

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あきゅろす。
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