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透、入学する! 16
「……んで?」

 公園の片隅のベンチに俺が腰掛けると、その左右に二人も大人しく座る。

 うわ、なんか男三人でキツキツにベンチに座るこの絵ヅラ。寒い!

 何だよ、座る時は大人しく座るんだな。ヤンキーは足腰弱いのかよ。

 挟まれてる俺、可哀想!

「確認って何ですか?」

 俺は苛々しつつも、意図的ににっこりと笑顔を向けた。

 早川はたじろいで目を泳がせた。

「あの……その……」

 ちょっと口を開いてはモゴモゴと言いよどむ早川。

「じれってぇなぁ」

 沢木がつっこむと、「うっさいわボケ! つか、お前どっか行け!」と早川がまた喧嘩腰になる。俺は盛大にため息をついた。

「……正直、早く帰りたいんですけど」

 そう呟くと、早川は拳をぐっと握りしめてようやく口を開いた。

「あのさ、4月頭のこと……覚えてる?」

 探るような問い。

 おそらく妹の那由と出会った日のことだろう。

 まあね。言われるまでもなくわかってはいたんだよね。

「助けてもらったことですよね。その節は本当にありがとうございます」

 そう答えてやれば。早川の目には明らかな喜色。

 そして――一瞬後にズズーンと沈没した。

「……やっぱり……本人だった……」

 早川は膝を抱えるようにして落ち込んでいたが、しばらくすると死人のような顔で立ち上がってフラフラと去っていった。

 そこまで……。

 さすがにちょっとだけ申し訳なく思った。

「何なんだアイツ……」

 沢木がポカーンとした顔で早川の後ろ姿を見送っていた。

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あきゅろす。
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