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透、入学する! 12
 指先で乱れた髪の毛をパッパッと払い、プルプルと頭を振ると、俺の髪はペタンと元通りに戻った。

「足達……ネコみたい」

 井原がポツリと呟くと、沢木も笑いをこらえながら頷いた。

 俺はムスッとして井原に反撃した。

「井原は柴犬だな」

「柴犬?! まあ、前にマルチーズとかチャウチャウとか言われたから、それよりはいいけど……」

 みんな似たようなことを考えるものだな。

 井原イコール犬ってことでファイナルアンサー?

 困ったように唸りながらも頷く井原の姿にひとしきり笑った沢木が、「俺は、俺は?」と聞いてくる。

「うーん、沢木は……ヒョウ、とか?」

 背は高いのに細くて、それでいてしなやかに筋肉がついていて。

 どこかネコ科の猛獣を彷彿とさせられる。

 俺が首をかしげながらそう言うと、井原も同意するようにうなずいた。

「おっ、いいね。俺、《黒豹》って呼ばれてるんだぜ?」


 く ろ ひょー


 何そのあだ名ウケル。


 ってゆーか、どこいら近辺で呼ばれているのだ。

 どうしてそんなあだ名をどこか鼻高々に語っているのだ。

 そう思いつつ、俺はナニも言わなかった。

 俺、笑うの我慢した。

 沢木はご満悦っぽいから。

 人を傷つけるのはヨクナイ。

 俺、エライ。

 え? そんな優しさいらない?

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あきゅろす。
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