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感謝を!


「……」


だんだんと詰まれていくソレをぼんやりと見つめる。


だんだん
だんだんだんだん
だんだんだんだんだんだん


……………なんだこれは


「…さっきからなにやってんの、骸」

「……嬉しいですか?」


嬉しいってなにが、
にっこり笑うオッドアイを見ながらこっそりため息をつく。
訳がわからない。
主語はどこ補語はどこ、なんて英語教師のようならしくない事を、思う。
そういえば俺を囲む妙に過保護な、見目麗しいそして頭がよい変人達は皆主語をつけてくれないし補語もつけてくれないような人達だよなぁと思う。

頭がいいくせに、…いや頭がいいからか
頭がいいから少しの言葉で自分はわかっちゃうんだろう。一で千を悟るみたいな
でもさ、俺はわかんないよ。俺の頭、並以下なんだからさ、もう少しわかりやすく砕いて話して。お願いします。

そう現実逃避している間にもだんだんと骸は俺の周りに山を作っている。

だんだんだんだんだんだんだんだん

……そろそろ俺、これに埋まる。


「なぁ骸、これ何?」

「チョコレートですが?」

あれ僕いいませんでしたっけ?と骸は首をかしげた。
その仕種が純粋な子供がするそれみたいで、和む。
いや和んでる場合じゃないけど


「いや、なんで骸はチョコレートをここで積んでるわけ?」


やっとチョコレートの山を積むという作業を止め、ぱちりぱちりと数回瞬きをする。



「こうするものだと聞いたんですが…違いましたか?」


「…チョコレートは意味なく積むもんじゃないよ」


「はい、それはわかってますよ。変人じゃないんですから
…君、今日誕生日なんでしょう?」


あぁ誕生日
そういえば誕生日だったな、と思い出す。
自分ですら忘れていた。
(悲しいかな、自分の前日に強烈な家庭教師の誕生日があるせいでこの日の存在が希薄になってしまってるのだ)


「僕、誕生日の祝いかたとかよくわからなかったので雲雀君に聞いてみたんですよ。」

「雲雀さんに!!?」


なんてミスチョイス!!
だからこいつはチョコレートの箱で俺を殺そうとしているのかと妙に失礼な事を思い、嫌な汗をかく。
骸は穏やかに笑ったまま話しを続けた。


「えぇそうしたら『欲しがってるものでもあげれば?』、と」


いわれたので綱吉君の好きなものわからなかったので、とりあえず僕の好物のチョコレートを沢山もってきましたんですけど、と違ったのかという不安げな表情で呟く。
雲雀さん意外とまともな事をいったんだなぁとか、でも、限度あるだろうとか、そんなに食べられないよとか思ったけど。

大量にあるのに全部品が違うそれらに一生懸命探してきたんだなとか、こんなにあるんだから重いだろうに俺が喜ぶと思って持ってきたんだろうな馬鹿だなぁとかそう思うと嬉しくて、少しだけ泣きそうになりながら笑った。
色々いいたい事があるけど、とりあえず、


「ありがとう骸。
でもさ、俺一人じゃこんな食べられないから」


二人で食べよう一年計画でというと驚いた顔をしてからはい、と笑った。










HAPPY BIRTHDAY!君が生まれた事に感謝をささげよう!








「ぁ、そうでした」
「ん?」
「綱吉君、誕生日おめでとうございます」
「…ありがとう」









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