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蟻地獄

生い茂るよ原生林
僕は行くよ何も持たず
止めないでくれどうせ僕は
社会の不適合者さ

15で世を捨てる覚悟
もう後には戻れないさ
止める人間も居ない僕さ
さようなら
ツマラナイこの世の中

ネットで調べた僕の死に場所
僕には何も悔いが無いから
最期にはひっそり静かに死のう

直ぐに迷った森の奥
鳥の声が不気味に聞こえる
鳥が鳴くその大木は
首を括るに丁度良い

用意した縄を掛けたその時
眼の前に少女が現れた
一糸纏わぬその身体は
雪の様に白かった

ウスバカゲロウの翅(はね)を持った少女は
僕から縄を奪い取った
不敵な笑みで駆ける少女を
無我夢中で追いかけた

気が付けば夜の森を抜け出し
雨の当たらぬ場所へ出た
砂へ降りる少女に僕は
手を曳かれ促される

さらさらと流れるその中へ
静かに静かに身を任す
蟻の様に小さな僕は
もがかずに唯、死を待つばかり


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あきゅろす。
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