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太郎くん
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「太郎くん…あの、太郎くんはさ…学校、楽しい?」

駅からバイクで俺ん家に帰って、一度荷物を置いてから太郎くんの部屋に来た。太郎くんの家は、俺ん家の隣だ。因みに部屋も窓が向かい合ってるから、昔はよく太郎くんが窓から俺の部屋に入ってきた。俺は危ないから窓から行き来するな、玄関から来いと太郎くんが言うから窓から太郎くんの部屋に行ったことがない。

太郎くんの部屋に入り、俺はベッドに座って太郎くんはベッドを背凭れにして床に座っている。

「クソつまんねー。幸治が居ないから」

でも、でも…太郎くんは、別に俺なんかが居なくても何事もないんだろう。ただ「つまんない」だけで辛いとか苦しいとか、死にたいとか、こんな俺みたいな惨めな思い太郎くんみたいな完璧な人は一生味わうことなんて無いんだ。

「…幸治?」

不思議そうに俺の名前を呼ぶ声に、ハッと我に返る。

ダメだなあ。太郎くんと一緒に居たらいかに自分がダメで無力で価値の無い人間だということが、益々…

「幸治」
「太郎くん…」

溢れる。ぐるぐると溜まっていた、今まで隠してきた色んなもの。吐き気がする。息苦しい。

太郎くんが、隣に座ったのがわかった。きっと怪訝な顔をして俺の顔を覗き込んでる。

「幸治」

優しい声。もう、だめだ…

「太郎くん、たすけて」

気持ち悪い。吐く。吐く、ああどうしよ…

「幸治、出せ」
「うっ…うぇ…」
「大丈夫。大丈夫だから」

目の前に出された、太郎くんの両手の上に数時間前に食べた昼食を吐き出して、俺はそのまま意識を失った。弱すぎ。






何だかおでこが冷たくて気持ちいい。と思って目が覚めた。

「たろ、くん」
「目え覚めた?」

上体を起こそうとしたら、太郎くんに肩を押されて止められた。まいったなあ。太郎くんに迷惑かけてる…まあ今更か。

「いま…何時?」
「11時。夜の。お前熱あってぶっ倒れた」
「ごめん、俺…自分の家に」
「幸治、助けてやるよ」
「…え?」

ぐっと、肩を押す力が強まる。あ、ちょっと…

「痛っ…」

俺の反応に太郎くんは微かに眉間に皺を寄せた。そして、静かに俺のワイシャツのボタンに手を掛けた。

「やっ…、やめろよ!」

必死に抵抗したけれど、太郎くんに力で叶うはずもなく。呆気なくボタンをブチブチと外されてしまい…アザだらけの汚い体を、ついに見られた。




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あきゅろす。
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