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長い夢
棺の中で休息を
『あ、木手さん』

名前が本を読んでいると、音もなく木手が現れた。

「……永四郎」

『はい?』

「永四郎と、呼んでもらえませんか?好きに呼べと言ったのは俺だけど・・・仲間からもそう呼ばれることが多いのでね」

『あ、はい。じゃあ、永四郎…さん』

「ふっ、まぁいいでしょう」

満足げに笑った後、木手は名前の頭を撫でる。

最初こそ手を伸ばせば身体をこわばらせていた名前だったが、今は素直に応じるほどに木手に懐いているようだった。

「(もっと、怖がるかと思っていたのに順応性に長けているようだ)」

そう思いつつ尚も頭を撫でていると、名前が不思議そうな顔で見上げてきた。

『?』

仔兎のような可愛らしい眼差しに、捕食者としての本能が疼く。

「キミは、本当に愛らしいね。食べてしまいたいほどに」

『あの、永四郎さんが言うと冗談に聞こえないです』

「まあ、そうだろうね。いずれここに牙を突き立てるのだから」

そういうとペロ、と首筋に下を這わせる。

『(ビクッ)』

ぞくり、とした感覚に思わず身体が跳ねてしまう。

「感度もいいみたいだし…少し、遊んでみましょうか」

そういうと木手は名前の身体を自分に向かせ、声を発する前にその唇を塞いだ。

そしてぬるり、と舌を侵入させ、口内を貪る。

くちゅ、という水音が名前の聴覚を犯す。

『んっ、ふ・・・あっ』

言葉を発しようとしても、舌を絡めとられそれは叶わない。

しまいには酸素も不足し始め、頭がぼんやりしてくる。

すると、蕩けてしまいそうな口づけに酔い始めてしまう。

『(頭、ぽわぽわする………なんか、気持ちいい)』

すっかり蕩けた表情を浮かべる名前に木手は笑みを零し、ゆっくり唇を離す。

それを名残惜しむように、銀の糸が二人を繋ぐ。

『ふ、あっ………はぁ』

突如取り込まれた酸素にむせそうになりながら、木手を見やる。

「…随分、物欲しそうな顔をするね」

『ふ、ぇ?』

物欲しそう、と言われても自分でそんな顔をしているつもりはないのだから、返答に困る。

「最初だからこのくらいで止めておこうと思ったけど……そんな顔をされては、止めるわけにはいきませんね」

そういうと名前を柔らかなベッドに押し倒し、覆いかぶさり服をはだけさせる。

『え………?』

とんでもないことをされるであろうことは分かっているが、先ほどの余韻で身体も頭も動かない名前はただぼんやりと木手の様子を眺めることしかできない。

「…抵抗、しないの?」

『てい、こう……?』

拙い話し方で木手の言葉をそのまま繰り返すが、頭がそれを理解しない。

「素直で、実に可愛らしい」

そういうと、露わになった乳房を優しく揉み解す。

『ん、ぁ…』

さらには胸の頂きにある飾りを舌で弄ぶ。

『んっ!』

びくり、と身体が反応し、次第に硬度を持ち始める頂き。

「こんなに硬くして……処女のくせに、淫乱のようだね」

『や、違っ!……ひぁぁっ』

ぐり、と抓まれ、喉から嬌声が上がる。

「ここも、刺激が欲しくて疼いてるようだけど………?」

そういうと下の蕾を爪でグリグリと刺激する。

『んんっ、やだ………ぁっ』

固く閉じた瞳からは涙が零れるが、木手はそれを舐めとる。

「怖がらなくていい。名前はただ、俺が与える快感に身を委ねてればいい」

ゆっくりと指を中に侵入させ、耳元で囁く。

「こんなに濡れていれば、処女だとしてもこれくらい痛くないでしょう?」

木手の言うとおり、指1本くらいなら痛さなど感じなかった。

むしろ、初めての感覚に身体がもっと、と訴えているようだった。

『んっ、………あぁ』

ゆるゆると勝手に動く腰を不思議に思いながら、木手を見やる。

「腰が動いているね。ココ、もっと気持ちよくなりたいでしょう?」

ぐちゅ、と中をかき回されると喉から嬌声が漏れ、身体は跳ねる。

『な、りたい』

快感に蕩けた思考では、もう何も考えられない。

名前は全ての行動を木手に任せるしかなかった。

「……ならば、強請ってみなさい」

『ねだ、る?』

「気持ちよくさせて下さい、と一言言えばいいんですよ」

深い紫の瞳を見つめながら、名前は木手が言った通りの言葉を繰り返す。

『えいしろ…さ、ん………もっと気持ちよく、させてぇ?』

熱の籠もった視線でそう強請れば、木手は満足そうに口元を歪め、秘部に埋まっている指を動かす。

『ああああっ!ひぁぁぁぁぁっ!』

その巧みな指使いに、名前はあっという間に達してしまう。

余韻に身体をビクビク震わせ、浅い呼吸を繰り返す。

「気持ちよかったでしょう?」

木手の問いかけに、こくりと頷くと名前は意識を手放したのだった。

そんな名前を、まるで慈しむように眺めていたことなど、本人である木手でさえ、気付いていなかったのだった。







(この感情をなんと呼ぶのか、彼はまだ気付かない)

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あきゅろす。
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