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ぬーじ〔虹〕の下の宝物 †甘夢
ぬぅーじ〔虹〕の下には宝物が埋まってる。



昔からの言い伝えだって誰かが言ってた。



私にとっての宝物はなんだろう…?





「雨上がったさぁ」

部室のドアを開け、空を見上げながら平古場が言う。

「練習再開するんばー?永四郎?」

「当たり前でしょう」

眼鏡をくぃっとあげ、木手が言う。

「うぇー。くぬまま〔このまま〕終わろうぜ」

「平古場君。そんなにゴーヤー食べたいんですか?」

「じ、冗談やっしー(汗)」

そう言って平古場は名前に抱き着く。

「名前〜、永四郎がわん〔俺〕のこといじめるさぁ…」

『凛が悪いんじゃん。ってかどさくさに紛れて何抱きついてんの?』

「名前、やわらかくて抱き心地いいな」

『なっ(///)』

「凛ー、マネージャーにセクハラ禁止ってこの間、うんじゅなーたー〔みんな〕で話し合ったあんにー」

名前に抱き着く平古場を剥がしながら甲斐が言う。

「ぬーがよぉ〔何だよぉ〕減るもんじゃないんどー?」

『減ったらどうすんのよ』

「んー、そんときは責任持ってわん〔俺〕がやー〔お前〕のこと嫁に貰ってやるさぁ」

そう言って再び抱き着く。

名前は観念したように息を吐く。

「あ」

知念が空を見上げ呟く。

「「ぬーが?〔何?〕」」

みんなで空を見上げる。

そこにあったのは

『ぬーじ〔虹〕!』

「ぬーじなんて久しぶりに見たさぁ」

「でーじちゅらー〔チョー綺麗〕」

空に架かる虹。

「そーいえばよぉ、昔ぬーじの下には宝物が埋まってるとか言わなかったか?」

『言った言った』

「わん、ぬーじ追いかけて迷子なったことあるぜ?」

なぜか威張っている甲斐にみんなでつっこむ。

「「威張ることじゃないだろ」」

「えっ!」

軽くショックを受ける甲斐。

彼の中では男の勲章だったようだ。

『でもそういうの夢あっていいよね』

名前が言うと木手が口を開く。

「夢もなにもそんなこと、ある訳ないでしょ。本当あなたたちは馬鹿ですね」

「ふらーって言わないで欲しいさぁ」

「こうなったらわったー〔俺達〕で調べるしかないな」

『しんけん?〔マジ?〕』

「くぬまま〔このまま〕じゃ悔しいやっしー」

「ふっ、出来るものなら」

「うわっ、なんかでーじ〔すっげー〕勝ち誇った顔してるばぁ」

「今に見てろよ、永四郎!」

こうして戦いの火ぶた(!?)は切って落とされたのだった…





次の日

今日は雨のため部活は休み。

名前は雨の中傘を差し海岸へと向かっていた。

『晴れの日の海もいいけど私は雨の日の海が好きなんだよね』

そう言いながら海を見つめる。





しばらく海を見ていると雨はやんだ。

「名前やっしー」

『ん?』

名前は誰かに呼ばれて振り向く。

そこにいたのは平古場凛。

『どしたの?凛?』

「っあー…永四郎にふらーって言われて悔しかったから来てみたさぁ…」

そういう平古場の顔は心なしか赤く見える。

『アハハ。でもなま〔今〕ぬーじ〔虹〕出てなくない?』

「出てたさぁ…わん、ソレ追いかけて来たさぁ」

『ゆくし〔嘘〕。私見てないもん』

「多分ここがぬーじの出所だから見えなかったんじゃないんば?」

『ふーん…で、宝物は見つかったの?』

名前が言うと平古場は真剣な顔をして口を開く。

「…見つかったさぁ」

『ぬーが?〔何?〕』

「やー」

そう言い平古場は名前を抱きしめる。

そして耳元で囁く。

「わん〔俺〕の宝物はやー〔お前〕。離したくない訳よ」

『…(///)』

「やーはどうなんばー?」

『…多分私の宝物も…凛』

「しんけんか??〔マジでか??〕」

『うん』

「わん、宝物は大事にするタイプだから名前のことでーじ〔チョー〕大切にすっさぁ」

『箱には入れないでね』

「っあー…入れたい気分ばぁ。でもわん、結構束縛強いから覚悟するさぁ」

そういい名前に口付ける。

『…不意打ち(///)』

「これからわんがいないと生きれない位、メロメロにしてやるあんに」

にっこり笑ってまた口付ける。






次の日

「永四郎、ぬーじ〔虹〕の下に宝物あったんどー」

「なんでしたか?」

「コレ」

『コレ扱いしないでよ』

名前を抱きしめる平古場を見て木手は眉根を寄せる。

「訳が分からないのですが?」

「あんすぐとぅー〔だーかーらー〕、わんがぬーじ追いかけてたら名前がその下にいたんばぁよ」

「…で?」

「埋まってはいなかったけど、名前が宝物だった訳よ」

「だからと言って肌身離さずマネージャーを連れていては練習にならないでしょう」

「わん、宝物はずっと側に置いておくタイプさぁ」

「…触りすぎて壊さないようにね」

「そんなことにはならないさぁ。わったー〔俺達〕はお互いが宝物で大事にしてるばぁ。そぅだろ?名前?」

『うん!』

「やれやれ。ただ単にバカップルが出来たとゆーことですか」

「バカップルで結構!わったーはくぬまま〔このまま〕結婚するさぁ!」

『…浮気しないでね?』

「やー以外眼中にないから安心しろ」

『私、プロポーズの時は昨日みたいにぬーじ〔虹〕の下がいいな』

「言われなくてもそのつもりやっしー。だってやーは………」

『?』

「ぬーじ〔虹〕の下の宝物あんにー」

そう言って空を見上げる。

そこにはいつの間に出たのか、虹が輝いていた。

「ぬーじ〔虹〕がある限りわんの愛は消えないさぁ。…愛してるぜ、名前」





END






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