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ワンコ系男子 †棗様リク(甘裏)
草食系男子に肉食系男子



ロールキャベツ系男子にカメレオン系男子



○○男子なんていう言葉が溢れかえっている現代で



私の大好きな彼を当てはめるとすれば…



ワンコ系男子、かなぁ?





キーンコーンカーンコーン

授業の終了を告げるチャイムが鳴り、固まった身体を解そうと伸びをした。

その瞬間、私の視界は暗くなった。

『?』

目の前には制服が広がっていて、視線を上げていくが、一向に顔が見えない。

ここまで見えないとなれば、当てはまる人物は1人しかいない。

『ヒロ君?』

「ぬーが〔なに〕?」

『ぬーがらあいびーたん〔なにかあったの〕?ここ2組あんに?』

「やーと一緒にお昼食べたくて、縮地法使って急いできたさぁ!」

そう言って笑うヒロ君にはピコピコ動く耳と尻尾が見えるようだった。

「名前、早く行くやっし」

くぃ、と申し訳程度の力で私の制服を引っ張る姿は、散歩に行きたがるワンコそのものだ。

『じゃあ、行こうか』

そう返事を返すと、学食へと向かった。





『ヒロ君はぬぅ〔なに〕食べるんば?』

「名前と同じのでいいさぁ」

『え、そんなこと言われたら責任重大やっし!』

「そんなことないさぁ。わんは、やーが美味しそうって思った物を一緒に食べてやーが美味しいって思った物を一緒に美味しいって言いたいだけさぁ」

私の頭をポンポンして言うヒロ君。

思いがけない言葉に、顔に熱が集まる。

私の好きなワンコ系男子は、天然なのか時々こんなことを言って私を照れさせるのだ。

『ん、んじゃ、今日は比嘉そば食べよう?』

「うん(コクリ)」

そんな会話をしながら食券を買い、おばちゃんに券を渡した。

空いている席を探そうとキョロキョロしていると、再び袖を引っ張られた。

「名前、あそこ……窓側2個空いてるさあ」

『しんけん〔マジ〕?じゃ、そこ座ろう?』

ヒロ君は背が高くて見渡しがいいからか、空席などの探し物がうまい。

「名前は、こっち」

『?』

なぜか、柱側の席を勧められた。

『ぬーんち〔なんで〕?』

「やしが〔だって〕、こっちにはイキガ〔男〕座ってるあんに…やーの隣にわん以外のイキガがいるの、嫌やさ」

頬を掻きながらボソボソ喋るヒロ君はとてもかわいく、私は小さく笑った。





学食を食べ終わり、クラスまで歩く。

私は2組でヒロ君は6組。

通り道ということもあり、送ってもらう形になる。

「…今週の土日、日曜は試合形式やしが、土曜は午前で抜けても大丈夫だから、土曜の午後から、会わないば?」

『いいの!…えと、どこ行くさ?』

「ねーねー〔姉貴〕が映画のDVD借りてきてたから、一緒に見ないばー?」

『なんの映画?』

「色々あったから、明日決めればいいさあ」

『そうだね!明日が楽しみやっさ!』

それから、明日部活が終わってからヒロ君が私の家に迎えに来て、一緒にヒロ君の家に向かうことを決めてお互いクラスへと戻った。





そして、今日がその土曜日。

お家デートとはいえ、好きな人と会うのだからできる限りのオシャレはしたい。

そういう訳で、いつもよりオシャレをしてみた私。

少し背伸びして目元のメイクもして、髪もゆるく巻いてみた。

早く来ないかなぁ…なんて思いながら時計とにらめっこする。

でも、睨みつけたところで時間が早く進む訳なくて。

がっくりと肩を落とした後で、ピンとアイディアが浮かんだ。

『そうだ!私が学校に向かえばいいんだ!』

そう思い立つと用意していたカバンに携帯と財布、ポーチを入れて家を出た。

すれ違うことも考えたが、携帯があるからと言い聞かせ、道を歩いた。





そうして歩いて行くと、学校に着いてしまった。

『あぃ?途中で会うかと思ってたのに…』

校門で待とうかとも思ったけど、せっかくだからテニスコートに行くことにした。

テニスコートに着くと、ちょうどミーティングをしていた。

「それでは、午後は自主練にします。ただ、練習のしすぎには気を付けるように。休むのも大切ですよ」

木手君の締まった声が聞こえ、その声に耳を澄ませていたら、部員の人たちが散り散りになった。

あわわ、早くヒロ君に声をかけなければ…!

『ひ、ヒロ君!』

私が声を上げると、当然だが視線が集まる。

当人であるヒロ君は、これでもかというほど目を見開いて驚いていた。

珍しい表情を見れたな、なんて思っていたら風が吹き、目の前にヒロ君がいた。

どうやら縮地法を使ったらしい。

「ぬーんち、ここに?」

『えへへ、待ちきれなくて来ちゃった!』

笑って言うとヒロ君は困ったように笑った。

「仕方ないやー…わん、急いで着替えて来るやっし!」

再び風が吹き、もうそこにヒロ君の姿はなかった。

瞬間移動みたい、と呟き、近くの大木へと背中を預けヒロ君を待つ。

が、急ぐ、という言葉通りヒロ君は早く出て来た。

「待たせたば?」

『ううん。大丈夫やっし』

「じゃあ、行くあんに」

そう言った後で、ヒロ君は私をまじまじと見た後、ポンポンと頭を撫でた。

『?』

「うじらーさん〔可愛い〕あんに」

『っ!(///)』

さらり、と言ってのけると、私の手を取り家へと向かったのだった。





家に着くと、そのままヒロ君の部屋へと通された。

「適当に座ってて。DVDと、飲み物持ってくるさぁ」

そう言われ、何気なく部屋を見まわすと、やたらと大きいベッドが目に入った。

『ヒロ君のベッド、デッカ!まぁ、あの身長だしこのくらいないとはみ出るか…』

そう言ってベッドに横になると、ヒロ君の匂いがして、なんだか落ち着いた。

「飲み物、さんぴん茶で良かったば?」

『あ、うん』

ヒロ君が戻ってきたので、慌てて身体を起こした。

「ぬぅ見るば?」

そう言われてDVDのパッケージを見れば。

ヒロ君チョイスであろうホラー物から、動物ものから色々なジャンルのものがあった。

『くぬ〔この〕動物もの見たいさぁ!』

「これば?わ、わんはこっちの方がーーー」

そう言って見るからに怖そうなDVDを手に取るヒロ君。

どこか焦っているように見えなくもない。

『怖いの見たら夜道歩けなくなるあんに!帰ってからもお風呂とか入れなくなるやさ!』

「う……じゃあ、こっちにすっさぁ」

渋々DVDをセットするヒロ君に対し、私は手頃なクッションを手に取り、抱き締めた。





私が見たいと言った動物もののDVDは、どうやら感動ものらしかった。

『(ヤバイ、これは泣いてしまうあんに!)』

そう思いながら涙を我慢していれば、隣から鼻をすする音がした。

さりげなくヒロ君を盗み見れば、ヒロ君は目を赤くしていた。

『(もしかしてヒロ君、泣いてる!?)』

鼻をスンスンしてるヒロ君は、すごく可愛く見えた。

『ヒロ君?泣いてるんば?』

「う………わん、感動ものに弱いんやっし…だから、あんま見たくなかったさぁ…」

名前の前で泣くなんてかっこ悪いやさ…

そう言うヒロ君を見ていたら、胸がざわつくような、身体の熱が上がるような、変な気持ちになった。

『(キス、したいかも…)』

そう思い、きょとんしているヒロ君をよそに形の良い唇に自分のソレを重ねた。

『んっ……はぅっ……っちゅ』

啄ばむようにしてみたり、角度を変えてみたり。

たまにヒロ君がしてくれるのを思い出しながら、そのまま手をヒロ君の自身へと伸ばした。

『!硬くなってる…えへへ、シよっか、ヒロ君』

「ちょ、待っ」

『…脱がせるよ?』

ヒロ君の制止を聞かず、ズボンや下着を降ろし、天を仰ぐ立派なソレに舌を這わせた。

大した知識がある訳ではないが、こうすればいいんじゃないか、って思う(人間の本能ってやつかな?)

『ん……じゅるっ』

「う、ぁっ」

丹念に舐めあげ口内で包み込むと、ヒロ君が小さく声を上げた。

その声にますます欲情し、早く欲しいと身体が訴える。

『ヒロ君、私もう我慢できないから、挿れていいば?』

腰を揺らしていえばヒロ君はコクリ、と頷いた。

でも、ヒロ君は座った体制のまま動こうとしない。

『ヒロ君?』

「この体制のまま……名前が挿れてみちみー?」

その言葉に戸惑いヒロ君を見れば、さっきのかわいいヒロ君とは程遠い、随分意地悪な表情を浮かべたヒロ君と目があった。

『ヒロ君、悪い顔してる』

「ん…なんか、名前のことイジめたくなってきたさぁ」

『さっきまで、違ったあんに?』

「…いいから、早く挿れてみ?わんも、早く名前のナカに入りたいさ」

熱っぽい視線を向けられると、私の思考もポヤポヤしてきて、言われるままに秘部を宛がった。

「そのまま、ゆっくり降ろして……」

『ん…ぁ、』

内側から広げられる感覚にゾクゾクしながら、少しずつヒロ君のモノを飲み込んでいく。

『入った、よっ』

やっとの思いで挿れたというのに、私の身体は刺激を欲していたようで、無意識に腰を上下していた。

『あぁっ!…身体、勝手に動いちゃう、よ!』

「っ、淫乱」

ぼそり、と呟きながら見つめられ、ますます動きが早くなってしまう。

『きも、ちいいっ!………やぁっん、イっちゃ、う!』

限界を訴えれば、ヒロ君はまた意地悪そうに笑った。

「わんも、スパートかける……さっ!」

壊れてしまいそうなほどガツガツと打ちつけられ、私は達した。

後を追うようにヒロ君も達し、白濁を吐きだした。





行為後の独特の倦怠感を感じながらヒロ君を見れば、なぜだかシュンとしていた。

『ヒロ君、ぬぅがんばやーよ?〔どうしたの〕』

「中で、出しちゃったさ。怒ってないばー?」

『大丈夫あんに、危険日じゃないし』

「じゅんに〔本当に〕?」

『じゅんに』

不安そうに視線を合わせるヒロ君は、叱られたワンコのようで。

可愛くてまた笑ってしまった。

「ぬぅがよ?」

『えへへ、ヒロ君、犬みたいで』

「い、犬!?………わん、犬嫌いやさ!」

『知ってる……でも、可愛くて私はしちゅんさ〔好き〕』

そう言うとヒロ君は何かを考えるように視線を泳がせていたが、長い腕で私を抱きしめた。

「名前がしちゅんって言ってくれるなら、犬でもいいさぁ」

『良かった。ヒロ君、でーじしちゅんさ〔すっごくく好き〕』

「わんも。かなさんどー〔愛してる〕」





ワンコみたいに可愛くて



時々ちょっぴり意地悪で



私の大好きなワンコ系男子



そんなワンコを、1匹いかが?





END



†あとがき†

棗様、お待たせいたしました。
長く待たせてしまった分、急いで書こうと思ったのですが、1週間もかかってしまいました…
おまけに、長い!
これでもかなり削った方なのですが…

もう少し削減するつもりだったのですが、これ以上待たせられないと思いUP。
願わくば、棗様の目に触れますように。

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あきゅろす。
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