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届きそうで届かない青空に、精一杯手を伸ばした。 †白石微裏
貴方は



本当に掴み所のない人で



私が手を伸ばそうとすれば



スルリ、とすり抜けていくの



ああ、なんて



遠い人





とある晴れた日曜日。

部活がないということを聞き、私は蔵ノ介先輩の家に遊びに来た。

突然来たにも関わらず、先輩は嫌な顔1つせず家にあげてくれた。

他愛もない話をしたり、お菓子を食べたりして、少し和んだ時を見計らって、私は何度目かになる言葉を口にした。

『蔵ノ介先輩、私、先輩のこと好きです。付き合って下さい』

「んー、“好き”言われてもなぁ…」

『どうしてダメなんですか?先輩、今彼女いないでしょう?』

「ダメなものはダメなんやて」

頭をポリポリ書く先輩。

私には、なんで先輩が私の気持ちに答えてくれないのか全く分からなかった。

だって先輩は、ダメと言いながらも私を部屋に上げてくれるし、頭を撫でてくれる。

突き放すようなことは絶対にしない。

『先輩、どうして?』

至近距離まで詰め寄り、絡めるように腕を回せば、暗転する視界。

「付き合えんもんは付き合えんよ」

そう言いながらも、私をベッドへと運び、制服をはだけさせ、胸元に手を這わす。

片方の手で胸の突起をいじり、もう片方は舌で転がす。

『ふ…ぁっ(///)』

与えられる快感に、身体が熱を増していく。

『んっ、せんぱっ、下も…触って、ぇ?』

自ら懇願すれば、蔵ノ介先輩の細くて長い指が私の秘部に触れる。

ツプリ、と指が挿入ってくる感触に身体が震える。

『…ん、っぁ………気、持ちっ』

付き合ってはくれないけれど、今この瞬間、先輩は私だけを見てくれる。

そんな満足感と、行為に集中するために私は目を閉じた。





情事後。

まだ気だるい身体に鞭打って制服を着る。

だって、蔵ノ介先輩は行為が終われば冷たくなるから。

『先輩、私、帰りますね』

「ん、気ぃつけてな」

ほら、今だって私の方を見てさえくれない。

初めはすごく辛かったけど、もう慣れた。

バタン、と先輩の部屋を出て、玄関に向かう。

靴を履き、先輩の家を後にする。





何気なく空を見上げれば、憎らしいくらい澄み渡った青空で。

少しだけ、自分が惨めに思えた。








(届かないのは、私がちっぽけだから?)





END





†あとがき†

千歩様のお題サイトからお借りいたしました。
この場を借りてちょっとした補足を。
主人公は手を伸ばしても届かない青空に白石を重ねています。
白石は、付き合っている相手はいないし、身体は重ねてくれるけど、決して主人公とは付き合ってくれない。
優しいのか残酷なのかよく分かりませんね。
でも、どっち付かずってゆーのが1番残酷なんでしょーね。

と、いうのも、後編で明らかにさせていきたいなーと思っています。
それでは、後編でまたお会いいたしましょう。



千歩様のお題サイトへはこちら!→http://59.xmbs.jp/suicideslovestory/?guid=on

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