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麻薬 †Ryoko様リク(裏夢)
あなたはまるで麻薬のよう。



一度味わってしまえば、身体が求めてしまう。



私を惑わせ、狂わせる。





始まりは雨の日。

『うわー雨だよ…傘持ってないし』

沖縄って雨が多いから。

それなのに私は傘を忘れて、雨が止むまで玄関で待っていた。

「どうかしたんですか?」

背後から聞こえた声。

『え?って木手永四郎!』

「俺を知っているんですか?」

もちろん。

というかこの比嘉中でアナタを知らない人なんていないと思う。

イケメン揃いのテニス部で主将を務める人。

『有名ですから…』

「まぁ、興味なんてないけどね」

顔の表情を全く崩さず、そう言う姿に不覚にも胸がときめいた。

「…名前は?」

『はい?』

「だから、名前」

何でそんなこと聞くんだろう。

そう思ったのに、自然と言葉を紡いでいた。

『名字名前…』

「名前ですか。可愛いらしい名前ですね」

そう言って私の頬を撫でる。背筋がゾクっとする。

「で、名前はここで何してたの?」

『傘を忘れちゃったんで、止むまで待ってました』

「へえ。良ければ俺のを貸しますよ」

傘を取り出し、私に渡す。

『え?でも…』

「報酬はこれで結構ですよ」

『ほうしゅ――んっ』

報酬って何ですか?

そう言おうと思ったのに。

いきなりキスされた。しかも深いやつ。

『ん…ぁ、はぁ』

角度を変えて、何度も何度も。

思考回路がおかしくなる。

何も考えられなくなる。

『…ふぁっ』

銀色の糸を引いて、唇が離れる。

「かなりエロいね。その顔。他の人に見せたらダメだよ」

そう言って雨の中帰って行った。

『…キスされた』

初めてだったのに。

ってか、報酬でキスするもんなんですか??

訳が分からない。

忘れてしまおう。

それに、もう二度と関わることなんてないんだから。





――この時の私はまだ気付かなかったんだ。

縁〔えにし〕はどこまでも絡み付くってことに――





もう二度と関わることはない。

そう思っていたのに。

どこに行っても木手先輩の姿があって。

視線が絡んで。

耐え切れなくなって、逃げ出すのは、私。

あの目は苦手。

すべてを見透かすようで苦手。

『なん、で…?』

屋上へと足を運ぶ。

タンクの後ろに行き、自分の姿を隠す。





気付けば、寝てしまったようで。

「起きなさいよ」

『ん…?』

瞼を開ける。

「やっと起きたね」

『き、木手せんぱ――』

「目覚まし代」

そう言うとまた唇を重ねられた。

『んんっ』

精一杯の力で押し返し、乱れた息を整える。

『なんでっ、…んなことっ』

「…何でだろうね?」

『っ』

その場は思わず逃げ出してしまった。





数日後。

私はどこまで運が悪いんだろう。

そう認識させられた。

「おーい名字」

『何ですかー?』

「このプリント、各運動部に配っておいてくれ」

『えぇぇ!?』

「頼んだぞー」

…本当、どこまで運が悪いんだろう。





『あの、これバスケ部さんにです』

『サッカー部さんにです』

とりあえず、テニス部以外の運動部には配り終えて、残るはココだけ。

『はぁ』

ため息が出る。

でも、いつまでもこうしていても埒があかない。

意を決してドアを開ける。

『…あの、これ』

「突っ立ってないで入れば?」

あぁ、すぐに返してはくれないんですね。

「…ふうん」

プリントに目を通してから顔を上げる。

視線が絡む。

「隙だらけだね」

気付けば、私の両手を頭の上で固定して、壁に押し付けられていた。

そっと身体の線を撫でられる。





逃げたい。

逃げたくない。

触れないでほしい。

触れてほしい。

そんな矛盾が私の中で交錯する。

「今日は逃げないの?」

木手先輩の顔が近付いてくる。

あぁ、今気が付いた。

私は木手先輩が好きなんだ。

だから、こんなにも求めてしまうのか。

まるで麻薬のように。





チュッ、クチュ

『んっ、はぁっ』

ただお互いの熱を求める。

舌を絡め、銀の糸をひく。

『はぁっ、はっ』

「抵抗しないなら、最後までヤるよ?俺も男だしね」

首筋に舌を這わせる。

『ひゃっ』

声と共に身体がピクンと跳ねる。

そのまま胸を揉みほぐし、舌で突起を愛撫する。

『んっ、ぁっ』

私は与えられる快感に喘ぐことしか出来ない。

「ここはどんなことになってるのかな?」

手を足の付け根へと滑らせていき、下着越しに割れ目をなぞる。

クチュッ…

『ふぁっ(///)』

「グチャグチャだね。ほら、俺の指を呑み込んで離さない」

そう言いナカを掻き混ぜる。

『ひゃんっ(///)』

身体の力が抜けていく。

立ってられない位、気持ちいい。

『せんぱ…』

「何?」

『も、立つの…無理』

「おや、仕方ありませんね」

近くのソファーに押し倒す。

「…どうされたい?」

口の端を吊り上げ、いやらしく問う。

…分かってるクセに。

『せんぱ…早くっ』

「随分積極的ですね。そういう女性は好きですよ」

ジッパーを降ろし、猛った自身を秘部にあてがい、一気に貫く。

『ぁぁぁぁぁッッ!?』

いきなりの快感に、私は背中を反らせてイった。

「まだですよ」

私の腰を掴んで何度もピストンする。

『ひゃぁぁぁぁっ』





何度イかされたんだろう。

行為は木手先輩が満足するまで続いた。

『っ…はぁ』

呼吸が上手く出来ない。

そんな私に木手先輩が優しく口付けた。

『せ、んぱ…い?』

「前、“何でこんなこと…?”と言ったことがあったね。結論が出たよ。俺は名前を愛している」

『……も』

「何?」

『私も、先輩が…好き、です』

「だろうね」

木手先輩はそう言ってまた唇を重ねた。





あなたを知ってしまった身体は



もうあなた無しではいられない。



それはまるで



麻薬のように。



私を惑わせ、狂わせる。





END





☆あとがき☆

Ryoko様リクの木手裏夢、ようやく完成!なんか無駄に長くなってしまいました(^-^;
すっかり遅くなってしまってすみませんm(._.)m

感想等貰えたら死ぬ程嬉しいので、是非!

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