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Because of the favor †相互記念(激裏)
名前と木手が付き合ったのは、今から1ヶ月程前のこと。

「キミはただ、“うん”と言えばいい。…簡単でしょう?」

そんな、有無を言わせない告白に、名前は頷くことしか出来なかったからだ。

幼なじみであり、良き相談相手である平古場にそのことを告げると、

「あー、永四郎は手ぇ早いんどー?おまけに、超が付くドSだから、気を付けた方がいいさぁ」

というアドバイスをもらい、少しは身構えていたのだが。

この1ヶ月、キスどころか手を繋ぐことさえなかったのだから、名前は拍子抜けしてしまっていた。

『(本当に私のこと好きなのかな?)』

などと、疑問を持ち始めたある日の帰り道。

「今日、俺の家に来ない?」

『え、これから?』

いきなりのことに驚いて木手を見ると、“もちろん来るよね?”というオーラが肌で感じられた。

『(拒否権ないじゃん)』

そう思いながらもOKの返事をし、歩くこと数分…





木手が立ち止り、口を開いた。

「ここが俺の家です」

『へぇ、ここかぁ…』

「さ、入りますよ」

『お、お邪魔します!』

名前は少し緊張しながらも、靴を脱いで上がった。

「2階の1番奥の部屋が俺の部屋です。今飲み物でも持っていくから、先に行っててよ」

『あ、うん』

言われた通りに2階の1番奥の部屋へ向かい、ドアを開ける。

木手の部屋は、机やベッドといった必要最低限の物しかない、非常にシンプルな部屋だった。

『…私の部屋より綺麗かも』

などと呟きながら、木手が来るのを待った。

「お待たせ。…どうしたの?早く座ったら?」

『どこに座ればいい?ベッドとか?』

「どこでもいいんじゃない?」

『え…じゃあ、ベッドで』

「どうぞ」

名前はベッドに腰掛け、先程木手が持ってきた飲み物を飲んだりお菓子を食べたりしていた。

少し会話をした後、最近疑問に思っていたことを聞いてみることにした。

『ねぇ、変なこと聞くけどさ』

「なに?」

『本当に私のこと、好き?』

私の質問に驚いたのか、木手は目を見開いた。

「好きじゃなきゃ、今こうして部屋に呼んだりしませんよ」

『本当に?』

「えぇ。…なんでそんなこと思ったの?」

『え!いや、…ね!』

手を出してこないから不思議に思った、だなんて口が裂けても言えない。

そう思い言葉を濁すが、それをこの男が許すはずもなく。

「“ね!”じゃないでしょ、素直に言ったら?」

見透かされるような紫の瞳。

その瞳に耐えかねて、名前はおずおずと口を開いた。

『………えっとね、凛が、“永四郎は手ぇ早いから気を付けたほうがいいんどー”って言ってた、から?…でも、その割りには手出してこな――』

名前が最後まで言い終わらないうちに視界は暗転した。

名前に見えるのは、木手と天上。

『えっと、なんで私は押し倒されてるんですかね?』

「だって、こーゆーのを期待してたんでしょ?」

『べ、別にそんなこと――んむっ』

名前はまたしても最後まで言わせてもらえず、なにかに口を塞がれた。

なにか、といってもそれは木手の唇なのだけれども。

『んっ…ぁ、…ふぅ(///)』

木手は角度を変えながら、巧みに口内を攻める。

逃げ惑う舌を絡めとり、歯列をなぞる。

クチュクチュと音を立てながら尚、貪り続ける。

『っ、く…るしっ』

酸素が不足し、朦朧とする意識のなか甘い痺れが身体をかけめぐる。

『(な、に…?)』

初めての経験に戸惑いを感じながらも、無意識に木手の首に腕を回す。

「随分積極的だね」

楽しそうに口の端を歪めると、服と下着を一緒にたくしあげ、ぷっくりと主張している突起を口に含んだ。

『あぁっ!?ゃ…だっ』

舌で押し潰したり、甘噛みしたりと確実に刺激を与える。

「感度いいんだね。…こっちは?」

そう言うと、下着の上から割れ目をなぞる。

そこはしっとりと濡れていて、物欲しそうにヒクついていた。

『ひゃっ!』

名前の反応に気をよくしたのか、ツプリと指を侵入させる。

『ぁ…ゃだ、抜、いてっ』

「抜く?こんなに締め付けておいて?」

『ふぁっ!?ソコ、だめっ(///)』

「ココ?」

イイトコロが分かり、執拗にソコを攻める。

『な…か、変っ……ぁぁぁ!?』

背中を大きく反らせ、名前は達した。

「もうイったの?…淫乱」

『違っ!』

「違わないでしょ?」

そう言うと、指数を増やしゆっくりと解していく。

『ま、たっ………ふぇ?』

2度目の絶頂を迎えようとしたが、寸前で指を引き抜かれ、それは叶わなかった。

『なん、でぇ?』

「名前だけ気持ちよくなるなんて狡いでしょ?」

そう言うと、猛った自身を名前の秘部にあてる。

この後なにが挿入ってくるのか想像がつき、名前は身体を震わせる。

「…大丈夫だから」

木手は優しく口付けを落としながら、ゆっくりと自身を挿入していく。

『い、…たいっ』

「もうちょっと…だか、らっ!」

最後は一気に貫き、様子を伺う。

「大丈夫?」

『ぅ、んっ』

「じゃあ、動くよ?」

『ぇ、ちょっ、待っ――ひゃぁ!?』

グチュグチュという水音と肌と肌がぶつかり合う音のみが部屋に響く。

『ぁぁっ!?』

先程絶頂を逃し、敏感になっていたためか、名前はすぐに達してしまった。

しかし、名前が達しても行為は止まることはなかった。





あのあと何度もイかされ、名前は起き上がる気力すらなくベッドに横たわっていた。

そしてそのまま小さく呟く。

『なんか、凛の言ってたこと分かった気がする…』

「身を持って知るってやつだね」

クスクスと笑う木手を見上げながら、再び口を開く。

『結局、なんで手出さなかったのかは教えてくれないんだね』

「知りたいの?」

『当たり前じゃん』

「…そう」

木手は名前の耳元に唇を寄せ、囁く。

「…好きだからこそ、出せなかったんだよ」

『え?』

「もういいでしょ」

顔を見られないようになのか、ぎゅうっと痛くない程度に抱きしめられる。

チラリと見えた木手の耳は赤かった。

名前は自分が愛されていることを知り、小さく笑みをこぼすと瞳を閉じた。
そして、行為後独特の微睡みのなかに身を任せた。





END





☆あとがき☆

千歩様との相互記念による捧げ物です。
とてつもなく遅くなった上に駄文で申し訳ないです(ノд<。)゜。
諒なんぞと相互していただきありがとうございます!
ちなみに、タイトルのBecause of the favorは『好きだからこそ』という意味です。

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