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制御 †星羅様リク(嫉妬夢)
嫌なんばーよ



やー〔君〕がたーがら〔誰か〕と話すのが



やーがたーがらに笑いかけるのが



やーの瞳にわん以外のたーがらが映るのが



制御がきかない、から



だから



嫌なんばーよ





「名前っっ!」

大きな声で名前を呼ぶ。

愛しいやーに一秒でも早く逢いたいから

『もー!休み時間の度に来なくていいって言ったじゃん!』

「心配なんばーよ」

わんと名前はクラスが違う。

これって、結構キツかったりする。

だって

わんの知らない所で、何されてるか分かったもんじゃないから

『何も心配することなんかないさー』

「そうやっし!凜は気にし過ぎさぁ」

そう言って裕次郎は名前の頭に手を置く。

あぁ、まただ。

アノ気持ち。

駄目だ。制御がきかない

「…わ、んな」

『「?」』

「名前に触んな!」

大声で言うと二人とも目を丸くして驚いていた。

でも、そんなこと知らないさぁ。

「ちょっと来い!」

名前の手を引っ張って走りだす。

途中で何か抗議の声をあげた気がするけど

頭に血が上っているわんの耳には届かない。





そのまま走り続けて

わんのお気に入りの場所の屋上へ着く。

いつも風が気持ちいいこの場所も

今は風もなくて、なんだかいつもの場所じゃないみたいだ。

『離してってば!』

名前はそう言ってわんの手を振り払う。

無理に連れてきたから当然なんだけど

たったそれだけのことで、嫌われたんじゃないかって不安になる。

名前の温りを感じたくて

わんだけのものだと確認したくて

抵抗されるのも構わずに抱きしめた。

そして震える唇で言葉を紡ぐ。

「名前は、わんのこと嫌いになったばー?」

随分情けない声をだしたやー

それに気付いたのか、名前は抵抗をやめた。

『はぁ!?いきなりぬぅ〔何〕??』

「いいから答えれ」

『…ふぅ』

ため息が聞こえた。

あぁ、ダメかもしれない。

“もう好きじゃない”なんて

やーの口から聞きたくない。

このまま時間が止まってしまえばいいのに。

そんなことを思っていると名前が口を開く。

『凜?よく聞いて?』

気付けば名前の手がわんの首に回っていた。

『…私は凜が大好きだよ?』

「じゅんに〔本当〕?」

『うん』

そういうと名前は背伸びしてわんに口付けた。

安心して力が抜けたのか、わんは座り込む。

それに合わせて名前も座り込む。

「…わん、名前がでーじしちゅん〔すごく好き〕さぁ」

『うん』

「…でも、やーがたーがらと話したりすると嫌なんばーよ」

『うん』

「…嫉妬だって、自分でも分かってるんばーよ。でも、止められなくて」

『うん』

「…やーのことになると制御が聞かないさぁ」

『うん』

ポツリポツリと溜め込んでいたことを話す。

名前はわんの頭を撫でながら聞いてくれた。

「…わっさいびーん〔ごめん〕」

『いいよ』

そう言うと名前はニコリと笑った。

『でも、凜がこんなに嫉妬深かったとは知らなかったさぁ』

「わんも。自分がこんなに嫉妬深いとは思わなかったさぁ」

わん自身は束縛を嫌うのにな

そう付け足したら

『だよー!凜だけズルーイ!』

だって。

確かにそうだよな…

「二人でお揃いのアクセでもつけるばー?」

『テニス部がそんなのじゃらじゃら付けたらいけないんじゃないの?』

…確かに。

裕次郎のリングだってうるさく言われてたし

まぁ、あの時はネックレスにするってことで永四郎も納得したんだけどな

『なんかないかなー?』

うーん、と頭を抱え込む名前

わんはその横で体育の授業でサッカーをしてる奴らを見て呟いた。

「…サッカー部ってよくミサンガ付けてるよな」

すると横にいた名前が声を上げた。

『ソレいい!!』

「はぁ!?」

『だから、ミサンガ!』

目をキラキラさせながら言葉を続ける。

『お揃いのミサンガ買って付けるの!』

「…買うんば?こーゆー時はやーが作るもんじゃないんばー?」

『あいにく私、手先器用じゃないから』

「ちばる〔頑張る〕気はないんば?」

『うーん…あ!二人で作るのは?』

「うぇ!?わんも!?」

『うん!私が作ったのを凜が付けて、凜が作ったのを私が付けるの!』

余計なことを言った気もしたんだけど

名前がわんの作ったミサンガをが付けてるのも悪くないと思った。

だって、付けてるだけでわんのものだと確認することができるから

『期限は一週間後ね!』

「糸はどうするんば?」

『部活終わってから買いに行こ?』

って訳で部活が終わってから二人で糸を買いに行った。





ミサンガって意外に編むのが難しいやー

この一週間、四苦八苦してたんだけど

もうちょっとで完成…

「よし!できたさぁ!」

わんが言い終わると同時にわんのクラスのドアが開いた。

『凜ー!』

そこには顔だけひょっこり出した名前がいた。

いつもわんが行くから、名前から来るなんて珍しいやー

「ちゃーさびたが〔どうした〕?」

『ミサンガできた!』

「じゅんに!?わんも今できたさぁ」

『じゃあ屋上行こ?』

「了解さぁ!」





屋上はやっぱり風が気持ちよかった。

『はい』

名前からミサンガが渡される。

手先器用じゃないとか言ってたけど

でーじちゅら〔すごく綺麗〕に仕上がっていた。

…わんのが不恰好に見えるさ(汗)

「うり。わんの――」

わんが言い終わる前に名前は腕を出した。

『…付けて?』

「ん…これでよし。わんにも付けて?」

『私が右に付けたから、凜は左ね?』

「ぬーんち〔なんで〕?」

そう聞くと

『こーゆーこと!』

って指を絡めてきた。

あぁ、なるほど

こうすれば手を繋ぐ時

ミサンガも一緒に触れ合うことができる。

「名前、かなさん〔愛してる〕」

『ふふ。私も』

二人で笑いあった後

不意に視線が絡んで、引き寄せられるように

甘い甘いキスをした。





わんの手首に結ばれているミサンガ



それは名前の手首にも結ばれていて



その存在が



わんを制御する



鎖となる





END





☆あとがき☆

星羅様リクの平古場嫉妬夢です!
大変お待たせいたしました…遅くなってすみませんm( )m
なかなか話が浮かばず、浮かんでも上手く文章に出来なくてですね(^-^;
原因は最近、他のサイト様へ行って、ドリの勉強をしてなかったことだと思われます。
なのでサイト巡りをしたいと思います。

感想頂けたら嬉しいです

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あきゅろす。
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