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伝えたい気持ち †メイ様リク(悲恋夢)
中学・高校時代



私達が1番輝いていた頃



将来とか未来とか



そんなものに縛られず



ただテニスが大好きで



一緒にいる仲間が大好きで



ずっとこんな日が続けばいいなって思ってた



ずっと好きだった君は



今も元気でやっていますか?





「名前ー、学食行こー?」

『うん!何食べよっかなー?』

比嘉中・比嘉高を卒業して、私は大学へと進んだ。

テニス部のみんなとは高校の卒業式以来会っていない。

「サークルとかどうしよっか?」

『私はやっぱテニス部かな?』

「あー、高校テニス部だったんだっけ?」

『うん。って言ってもマネージャーだけどね』

そう言って昔を思い出す。

永四郎・裕次郎・寛・タニー。

そして、大好きだった凜ちゃん。

『仲間』っていう、この関係が壊れるのが怖くて、告白なんて出来なかったけど。

ずっと、大好きだったんだよ?

君は気付いてなかっただろうね。

みんな、どうしてるかな?

元気にしてるかな?

「……っと!ちょっと!名前聞いてる?」

『うぇ!?何?』

友達の諒に話しかけられて我に返った。

「ちょっとー自分の世界に入らないでよー」

『ごめん…』

「もー!で?テニス部の見学行く?」

『うん』

「私も行こうか?」

『ううん。遅くなるだろうから一人で行くよ』

「そう?ならいいけど…」





あのあとまた講義を受け、サークル見学の為テニスコートへと向かう。

パコーンパコーンって。

懐かしい音に自然と早足になる。

コートに着くと君の姿があるんじゃないかって探してる自分がいた。

いる訳ないって分かりきっているのに。

「見学者ばー?」

『あ、はい』

テニス部の人に話しかけられて、少し焦った。

「経験者?」

『いえ。マネージャーやってました』

「そっか!じゃあ是非ともテニス部に入ってもらわなきゃやー」

『が、頑張ります!』

人懐っこい笑顔に君を思い出す。





先輩と話したり、少しマネの仕事をしていたら外はもうすっかり暗くなっていた。

送って行こうかと言われたけど、寄りたい所があったから丁寧に断った。

寄りたい所は本屋。

よく凜ちゃんと漫画買いに行ったなぁ。

そんなことを思い出していたらどこからか声をかけられた。

「あい?…名前か??」

『え?』

懐かしい声に心臓が音を立てる。

聞き間違えるはずなんてない。

だってこの声は大好きだった君の声だから。

声のする方に身体を向け、君の姿を探す。

「おー。やっぱり名前だったさぁ」

『凜ちゃん?うわー久しぶりー』

「卒業以来か?」

『そうだね!』

心臓がトクンって音を立てる。

どうやら私はまだ凜ちゃんのことが好きみたい。

「今から時間あるばー?」

言われて時計をチラリと見る。

このあとの予定は何もないから時間はたっぷりある。

『大丈夫だよ』

「じゅんにか?〔本当にか?〕」

『うん』

「せっかく会ったのに立ち話ってのもアレやっしー。どこか行くさぁ」

『うん!』

誘ってもらえたのが嬉しくて頬が緩む。

「とりあえず歩くか」

横を歩く凜ちゃんの顔を盗み見る。

あどけなさが抜け、少し大人っぽくなった顔。

やっぱりカッコイイな…

「ファミレスでもいいばー?」

『高校のときよく行ったねー!行こっか!』

二人でファミレスに入る。

席に座っていろいろな話をする。

『そういえばみんなどうしたんだっけ?』

「永四郎と知念は大学進んだだろ?裕次郎はわんと同じで就職したし、…田仁志は知らねっ!」

『ひどっ!タニー泣いちゃうよ?』

「あにひゃー〔あいつ〕のことなんて知るか」

『相変わらずだねぇ』

ふと胸元を見ると、リングのネックレスをしていた。

まるで、中学時代の裕次郎みたいに。

気になる。

凜ちゃんモテるからやっぱり彼女位いるよね?

聞くのは怖いけど、聞いてみようか?

『…首から下げてるリング、どうしたの?』

「っあー、これはその…」

言葉を濁す凜ちゃん。

『もしかして…彼女から貰ったとか?』

「…へへ」

少し照れ臭そうに笑う。

否定しないってことはそうなんだね

予想はしてたけどショックは大きい。

『彼女かぁ…って、彼女いるのに私なんかといていいの?』

「ぬーんち〔なんで〕?」

『誤解されたら困るでしょ?ってこと!』

「別にやましいことしてる訳じゃないあんにー」

『そうかもしんないけどさ…』

あの時私に勇気があって

ちゃんと告白していたなら、今とは違う結果になってたのかな?

後悔してももう遅いんだね。

「…ぃ!おい!聞いてるんば?」

そんなことを考えていたら、反応が少し遅れた。

『うぇ!?なに?』

「ぼーっとしてるところは変わんないんだな」

私の頭をわしゃわしゃ撫でながら言う。

『ちょっとー髪ボサボサになるじゃん』

なんて言ってみる。

私、上手く笑えてるかな?

少しひきつってるかもね(笑)





それからまた色々話した。

主にテニス部のみんなのことだったけど

泣きそうになるのを堪えて、笑った。

もう子供じゃないから。

感情を隠すことだってできるから。

「もうこんな時間か!そろそろ帰っか!」

『そだね』

お金を払って店を出る。

『久しぶりだねーこの帰り道』

「懐かしいやー」

あの頃毎日通って帰った道を歩く。

『そういえばさ』

私は唐突に口を開く。

「ぬーが〔何〕?」

『凜ちゃんの彼女ってどんな子?』

「うぇ、それかよ?」

『いい子?』

「ま、まぁやー」

嬉しそうに、幸せそうに微笑む。

本当に、幸せそうに

凜ちゃんの彼女が羨ましいな、なんて

少しだけ、そう思った。





「分かれ道ー」

『いつもここで別れたっけね』

その分かれ道はT地路みたいになっていて

私と凜ちゃんは逆の方向を後ろを向いて歩くんだ。

無駄に手を振って

距離が離れるごとに大きな声を出して

また明日ねー

おっと!コケる!

なんて言って。





でも、今日は少しだけ違うんだ

お互い後ろを向いて歩く

うん、ここまでは一緒。

違うのはここから

君には迷惑かもしれないけど、これだけは言わせて下さい

少し息を吸い込む。

『凜ちゃん!』

「ぬーがぁ?」

『私、中学の頃から凜ちゃんのこと大好きだったよ!…彼女さんと仲良くね!それじゃっ!』

前を向いて走り出す。

困らせること言ってごめんね?

でも、どうしても伝えたかったんだ





これで、君への想いは

ちゃんと思い出にできるから





「名前ー」

後ろから凜ちゃんの声がする。

「わんも、名前のことしちゅん〔好き〕だったさぁー!」

その言葉に涙が溢れた。

泣くもんかって思ってたのにね。

走るのをやめ、後ろを振り返り、叫ぶ。

『今更遅いよ!ふらー〔バーカ〕!』

涙声なのは許してね?

次会うときは、ちゃんと笑うから





ずっと好きだった君は



今も元気で



とても幸せそうに笑っていました。



隣にいるのは、私ではないけど



君が幸せであるようにと



そう、星に願いました。






END





☆あとがき☆

メイ様からリクいただきました。マネージャー設定としか無かったので、諒が書きたかった悲恋系で書かせていただきました。
ちなみにみんな高校は同じ設定になってます。そこのところは多めに見て下さいm(._.)m
感想下さるとめちゃくちゃ嬉しいです!

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