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 夜中、フィルは夢を見た。

彼女は、夢のなかに箱庭を持っている。
森があって、海があり、山があり、町があり、
イキモノが自由に生きていた。
そこで自分には全く関わらない形で、日々を営み、思いを叫ぶイキモノたちを眺めていることで、安心している。

 愛や恋なんて、お話にしか出てこない茶番、他人事。
誰だってそうだと思う。家の事情だとか、やむを得ない繋がりがあるから結婚したり付き合うのだ。

好きとか、愛してるなんて現実的じゃないものに憧れるのは、現実を知らないからに過ぎない。

事実、まわりの既婚者に話を聞いたって「事情があったから」「なんでかしらね」 という、いやそうな回答しか得られないのが、現実。



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