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「んぅ……」
少しして授業が終わると、寝ていたその子……狩りの被害を目の当たりにしたという噂の少女は目が覚めて起き上がった。
そちらを見ていたから、目が合ってしまう。
「あ、おはよう」
「おはよう」
慌てて挨拶すると、まんまるの目でじいっと見ながらわたしに首をかしげた。
「哀れまないひと、久しぶりに見たよー」
「哀れむって、なんのこと?」
「ん? 知らなかったっけ。早速うちのこと、クラス中の噂になってたもんだからさ、いいや。知らないならー」
かいつまんだ部分ごとには知っているけれど、わたしは答えずにいた。
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