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――血を、
眺めていた。
彼の目の前の壁にはブラシでもそう楽には落とせないしぶきの跡。
キョロ充か、鶏みたいにあたりを見渡した後に、にやりとわらった。
いい出来だ。
こんにちはとチャイムが聞こえたから動転した。慌ててドアを開けると男が居る。
ところどころ緑の髪色は、中途半端でまるで黒色を途中まで弄って放したような感じだった。
それをとがめられようとも、彼は直さない。
ドアを開けた客は、話をしたいですがいいですかと言ってきて、構わないと言った。
けして後ろを振り返らないよう、悟らせないように。
「今、緊急で寮に居る生徒の点呼をしています」
知らない先公が彼を心配そうに見つつ言い放つ。あぁ、そう。
まあ確かに事件だもの。笑いを噛みころしながら彼は「ごくろーさんだね!」と言った。
あぁー。
部屋に入られたら終わりだぁ。
せんせい、だめ、だめっ!
心の中は、かなりぱにくっていたりする。
彼は、『住民』ではなく生徒のふりをしている。あれやこれやを偽造して生活しているストックフィリアである。
なぜだか納豆に執着を持ち、やたらと納豆を食べる生活をしているということと、中二病以外に、特に珍しい点はない。
鶏に似ており、頭には逆立てたトサカがあるくらいだが……
これは人間の髪型だ。
先公、は次に彼には、うげげ、となりそうなことを言い出した。
「今から、ロビーにみんなで集まります。いいですね」
ロビーだって!?
コ、コケー!!!
「他の生徒は移動してますよ! あなたも急いで。
今、幽霊先生から結界が数ヵ所ほつれていた連絡がありました。
侵入者が潜んでいるかもしれません。
一人になってはならないのです」
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