ページ:16

 だからこそ、フィルは料理をしたらさっさと食事に移るのだった。

「こんなものを録って」「たいしたことのない」と嘲笑う幻聴が常に付きまとうせいで、自分の情報の一部としてでも、料理や、食べたものを他人に見せることなどとても出来ない。


 学園という閉鎖空間も、本当は、息が詰まってしまう。
周りと自分が違うことを、嫌でも自覚させられるし、その上仲良くすることを強要されるからだ。
(はぁ……肩身狭いよなぁ)
純血と混血を分けたりしたら、いやでも際立ってしまうじゃないか。
でも同じクラスにいたなら真っ先に妬みやからかいの対象になりやすい。どっちにしろ、疎まれる。

[*前へ][次へ#]

16/18ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!