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プライドって、なんなのだろう。

煙のように消えてしまった、黒い影の居た場所をじっと見たまま、フィルは、とても苦しい気持ちになった。
愛せるかもしれないと、思いかけたことまで含めて。

けれど、違う。

フィルは、我に返ったときを思い出す。

(生きるためという理由で私を狩りに来たあいつを、私は拒んだ……)

変に強い覚悟や愛情を感じてしまって、不気味に見えたのだ。
あんな冷たそうなのに、そうではない。

私が、愛情以外ならもらおうと生きるなかで、真逆だ。自分のなかに芽生えたのは、純粋な嫌悪感。



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