2019年1月27日1:36
割れたガラスの向こうから暗い暗い教室のなかに光が差し込んでくる。(眩しい……)
私は思わず目を瞑った。
「助けに来たわよ!」
誰かの声がした。
はっとして、意識を戻すと結界の一部に薄くヒビが入っている。
「……、ぇ……と」
桃色の長い髪をした少女が手に持っているのは『本』だった。
私と、おなじ。
ちがうけど、おんなじだ。
『……管理者』
理解が追い付かない。
なんで?
どうしてここに?
私、この場所から出てもいいの?
「聞いて。
私はフィルローグ。
あなたと同じ、『管理者』」
異界の言葉みたいなそれが、私の脳髄に刻まれていく。
「フィル……」
つっ、と涙が頬に伝った。
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