努力(10/13)

 世の中、変なものだ。ツルナのようなものが、ちょっとでも怒ると批難するくせに、にこにことしていれば無垢過ぎる、気持ち悪いと批難する。 どちらを選ぼうと目をつけられ、斜めに片寄った見方をされる。

おっとりしていても、笑っていても、誰だって、虫や小さな生き物くらい殺したりしてるのに。

――悪魔だ!

――悪魔だ。

口々に声がした。

「あ……」


ここがクローンクラスの生徒たちも通る共通の通路に繋がる道でもあることを忘れていた。

けれど。
(私は、黙って死ねって……?
何もするなっていうの?抵抗さえも、批難される存在なの?)


どうして。
周りの生徒はなんだ、死ねばよかったのにという雰囲気を出していた。
写真におさめようとするものまでいたくらいだ。

――彼らが『悪魔』と呼んでいるのは純血の子たちだ。


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あきゅろす。
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