努力(9/13)
ふいに、めまいを覚えた。
目の前が暗くなる。
「なに……?」
――頭がずんと重く感じた。職員室に行かなくちゃいけないのに。
リークロード君はさっさと職員室に入っていく。
廊下に立ち尽くしたまま、足が、動かない。
行かなきゃ……私も、戦わなくちゃ。
「ツルナルール!」
背後で誰かが呼んだ。だれだろ。
ふと、目をあけたら、目の前に黒い、なにかが居た。
「……!」
メイルちゃんのように短剣でもあればよかったのになぁ。でも……
「私、これくらいしか、持ってないよ!」
スカートに手を入れ、ポケットから取り出した『それ』の蓋を開けて空間に向かってかける。
シャボン玉溶液のケースみたいな見た目だが、簡易な結界を作るもので、生徒たちに配布されていた。
黒い塊は液に絡めとられてその場でもがく。
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