努力(8/13)

「……あ」

「校則を無視するな」

相変わらず不機嫌だった。彼は何がそんな不満なのだ。

「討伐隊はいいんですか」
「メイルたちもなかなかやるからな。俺は外側から教室に入るやつを見たかっただけだ」

「そうですか」

き、距離感がわからない。

変な敬語になりながら二人で職員室を目指す。
今はまだ遠くに感じるが、黒い影らしいものが、あちこちに姿を表していた。


(うわ……なに、あれ)


さあな、で終わりそうな会話をしたくないので心のなかで嘆く。

 私も戦う力があればいいのにな。けれど今までまともに戦ったことなど、ない……はずだ。
体育で少しやったくらいで。

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