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「あれって?」
ツルナが興味しんしんな目で、メイルを見つめた。
メイルはどうこたえるか迷った。
「薬品で、血液をごまかすの」
リークロードが口をはさんだ。
「だけど、メイル、それは学園レベルのセキュリティで通じないだろ」
「結界を壊したあと、数分ならもつわよ。なぜなら」
「中庭ね!」
「混血クラスとの合同授業があるときに、体育館などに向かう共通玄関があるわ!」
双子がそれぞれ言った。
「そうか、そこに混ざりながら上へいけば、撹乱できる」
「あなたたち、何をこそこそしてるの……?」
しばらく黙って座っていたニシオイ・ララがやってきた。
「先生に言われたでしょ、言われたでしょ、静かにしていなさいと」
「げっ、ニシオイ・ララ!」
リークロード君が嫌そうにする。
「あら。嬉しそうな顔」
「嫌そうな顔だ!」
なにかあったのかと私がこそっと聞くと、メイルちゃんも、さあ、と言った。双子があのね、とこぞって言う。
「いじめっ子なの!」
「いじめっ子。リークロー……」
黙れ、とリークロード君が真っ赤になる。
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