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結界を薄めるための液は、どうにか旧校舎にあるものを使った数滴しかなく、ラストチャンスだった。
マイとタカナが出ていった後、ご丁寧にはりなおしたから、私は、もう出ることはない。
結界はさらに厚くなっていることや、契約者とされている『本』に身体が引っ張られるせいで、他の『本』との契約も不可能だ。
タカナたちが手放すしかすべはなく、やはり生きた屍だった。
偽った契約者が、ばらまいて行く『それ』は、
『血』で作られているというのを、私は呆然としていたために伝えることさえ忘れていた。
我に返ったときにはすでにタカナとマイは『呪い』をばらまく装置と化しているようで、校舎には黒い影があちこち出没しては、私をちらりと見て、どこかに向かっていく。
体力だけが、私の血を源として『呪い』を引き出して削られていく。
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