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私はあまり知らないが『思想の混同』は、前々から議題に上がっていたようだった。
普通の人間同士なくせにと斜めに見た思想による私たちの偏見が近頃差別をさらに増やしているのだ。
「特に危険度のある、純血クラスから……
そうね、フィルローグかしら」
フィルローグ婦人は、がたりと立ち上がり、不安そうに震えた。
「価値だと言っても! 自らにどうにかするものじゃ」
わなわなと震えている
フィルローグ婦人。
価値を下げたら簡単に戻るという確信はなかったのだ。
ある人、は人差し指を振りながらにっこり微笑んだ。
「能力値グラフを見たでしょ? フィルさんの方が高いことはすでに出ていましたよん。
相手が法外な手を使うことがない限りは
たいしたことはありません。
価値を落とす、ところで巻き返すことは普通に出来るでしょうし勝率はかなり高い」
確かに。グラフを見る限り相手が反則技を使わない限りにおいては、ほぼ勝ちが確定しているようなもの。
特に名声に傷がつきはしない感じだ。
「使った場合は」
「締め上げればいいじゃないですか。犯罪者は」
「疑うわけではありませぬが。万一があっては」
が挙手する。
「いいえフィルはそこらのクローンには負けませんわよ」
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